2019.10.13:日曜日

 


 

アフリカへの旅が多く、ケニヤの人々の家の外壁にペインティングしたり!、現地の人々との交流が続くシーノ・タカヒデさんの毎年恒例の個展が今年も開催されました。いろいろな驚異的なエピソードがありますが、その中でも特に印象深いシーノさんのお話をご紹介させて頂きます。

☆『象』…を食べた日 ☆

リュツルの森からザイール川を渡り

セントラルアフリカの首都バンギを目指していた

途中 ジャングルを移動するため

カミオンをヒッチし移動

夜は 満天の星空

カミオンの下で眠りにつく

昼間は

ヒッチしたトラックのホロの上に振り落とされないように

しっかりと体をゴムでしばり ただ ただジャングルを走り続ける

旅の移動

途中名も知らぬ小さな村に止まった

日も暮れかかり急いで空腹を満たす為食べ物を探した

ヒッチハイクの旅は休憩時間も運転手次第

しかも フランス語なのでちっとも解らない?

ヘロヘロになりながら小さなマルシェにたどり着き

言葉がわからないまま身振り手振りで食べ物を探す

何とか食事ができそうな場所を探しあてた

とにかく知ってる単語を並べて食べ物を注文する

店主は 白い歯を見せながら何かの塊を持ってきた

出てきたのが何か解らないままかぶり付くが『肉?』

…と言う事はわかったんだが

まるで歯が立たない

腹が減っているせいかそのゴムのようなその肉を

何とか嚙み切り呑み込んだ

ろうそくの灯りの下でその食べ物と格闘しながら

少しずつ飲み込んでいった

夕日が沈みかけ蝋燭越しに人影がちらほら

少しずつ目が慣れお腹も落ち着いた頃

店主にこのほし肉の正体を恐る恐る尋ねてみた

店主は

満面の笑みを浮かべて「象❗️だ」….と笑って答えた

えっ!

正体は『象の干し肉』…だった

…と、ふと座っている椅子に目線をやると

その椅子には大きな爪が…

ぼくは…象の足で作ったイスに座っていた

   ☆

…帰国後ぼくは肉を食べるのを止めた
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/shino_takahide2019.html

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2019.10.09:水曜日

 
 

 
 
卯月俊光さんの作品、昨年から新たなチャレンジをされているように感じておりましたが、今年は更に、新鮮な息吹きを感じました。

「OVAL ーひとつの宇宙ー」というタイトルが示すように、比較的小さめな画面内に楕円形のモチーフが中心となり、円形や美しい細いラインの繰り返しと言ったリズミカルな表現も加わって、卯月さん独自の世界観が表現されました。

花々や月や雲、また朧な空気感や雨模様など、日本の伝統的な表現世界に通じるモチーフや作品の構図や染色等の技術的な側面から感じられる静謐な様式美には、積み重ねられた時間や人々の経験則や叡智から成る圧倒的な力があると思います。

卯月さんが表現されようとしている、そのような様式を湛えた作品を個性豊かに制作するということは、想像以上に難しく困難な場面も多々あるでしょう。

その上にポップな味わいも加味された卯月さんの作品は、今の時代を生きる人々にとって様々な角度から楽しめる共有感覚を呼び覚まされるように思います。
 
 


 
 
http://spaceyui.com/schedule/utuki_toshimitu2019.html

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2019.10.03:木曜日

 

 

スペースユイでは、二度目となる百瀬恒彦さんの写真展が開催されました。

今回は、ニューヨーク近郊に住むアーミッシュと呼ばれる人々の日々の情景がテーマでした。

電気も通らない、電話等の通信機器も持たず、自動車の変わりに馬車を使うという、現代の文明に頼らない生活を選んだアーミッシュの人々は、もち論写真に写される事も好みません。

百瀬さんは、撮影に要する短い期間に若い女性たちの初々しい笑顔や子供たちの楽しそうな笑顔を逃さず捉える事に成功しました。

そしてアーミッシュの人々と一般の人々の住居とは混在していて、夜になり電気のついている家とそうでない家とで区別がつくのだそうです。

また、今回の展示表現として、ニューヨークの街の光景とアーミッシュの集落や人物とを交互に並べ鑑賞できた事も、その対比を皆さんに楽しんで頂けたと思っております。

百瀬さんの作品に魅かれた若い方々も多くお出かけ頂いた事も印象的でした。

百瀬さんの提案では次回はキューバがテーマの展覧会で、その次にマザーテレサの肖像の展覧会を、という事です。そしてどの作品も魅力あるものばかりですが、マザーテレサの表情とその捉え方が強く印象に残りました。

マザーテレサは多くの写真家によって世に出ており、私も他の写真家の方々を存じ上げていますが、百瀬さんの写し取ったマザーテレサの顏が忘れられません。畏怖を感じるほど強烈な優しさといった風な感慨を初めて持ちました。

優れた作家のポジティブな力を持つ作品は、確実に人々の心に繋がって行くと思いますので、今の時代、特に百瀬さんによるマザーテレサの肖像写真の展示が待たれます。

 

 

 

http://spaceyui.com/schedule/momose_tunehiko2019.html

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2019.09.17:火曜日

 

 
 
谷口シロウさんの絵、加藤マフミさんの文章による絵本、「まぼろし花」の原画展が開催されました。ドローイング、イラストレーション、と垣根のない感覚的表現が魅力的な谷口シロウさんの絵と、谷口さんの旧知の間柄のアートディレクター、加藤マフミさんとの息の合ったお仕事ぶりです。

楽しい絵本から伺えるお二人の優しいお人柄が登場人物の天使たちに重なります。お二人に今回の展示と絵本について文章をお寄せ頂きました。
 


アート絵本「まぼろし花」 出版記念展 (谷口シロウ)

今回の展示は思いがけない再会から始まりました。

以前お世話になっていたアートディレクターの加藤マフミ氏と

数十年ぶりに素敵なタックを組むことに…。

彼が温めていたストーリーに共感し、

今 自分が描きたいスタイルに近い絵にもぴったりだったので、

その大人のアート絵本を目指し、すぐに取り掛かり

推敲を重ね1年ほどかかり完成しました。

子供の絵本でも難しいところ、奇跡の足長おじさんのおかげで

超短期間で出版の運びとなりました。

これは2人の遺作になる強力、普遍的なバイブルです!?

世の中にもっとアートを!

気持ちの良いソファーのように包まれ

エネルギーの素となる綺麗なスイーツやシャンパンのように

少しリッチでキラキラと輝ける糧に

もっともっと大人が楽しめるアートが広がるといいですね。

出会いと発表の場に感謝しつつ

これから次のステージへ向かいます。

 
 
「まぼろし花」は咲いているか (加藤マフミ)

誰の心にも、まぼろし花は咲いています。

心は常に揺れ動き、毎日を生きています。

悩んだり、限りのない欲望を追い続けたり、万象を比較したり、

愛や憎悪や優しい気持ちや勇気などの感情が目まぐるしく渦を巻く。

人間ですから。

良い意味でも、悪い意味でも、

人間として生きていくしか僕たちにはない。

この物語はもう20年以上前に子供向け

というか未来の大人たちに向けて書きました。

そしてこの度、今の大人たちに向けて書き直した作品です。

そもそもこの物語は絵本として

書いたのだから大人向けになっても絵本にするべきと考えました。

絵は誰にお願いしようか?

優しくて、可愛くて、どこかシニカルで、シンプルなのに複雑で、

不思議な魅力のアート感を放つ。

そうだ、旧知の谷口シロウ氏を十数年ぶりに探し出して頼んでみよう。

アート絵本を作ろう。

日本ではそんな領域はない。

アートものの出版なんかよほどの理由がないと無理。

でも今伝えたい、地球のあちらこちらにまぼろし花が咲いていることを。

僕の心の中に聞こえてきた声に後押しされて頑張ってみようと思いました。

「いいことってさ、ひとつくらいはあるかもしれないよ」
 
 


 
 
http://spaceyui.com/schedule/taniguchi_shirou2019.html

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2019.09.10:火曜日

 


 
 
岸田ますみ「9月の展覧会」が終了しました。

ずっと一貫して、開けた視界の海や平原等、同テーマを描き続けている岸田ますみさんの作品展には、ファンの方々も多く、定評があります。

青みがかったグレーの雲の覆う空模様、深く暗い海の色、ぽつんと建つ一軒の家や灯台等、モチーフもシンプルです。

全体的に画面から漂う気配は寂寥感に溢れています。その寂寥感のもうひとつ向こう側には一体どの様な風景が存在するのか、明るいご本人の印象からは結びつかない感覚に、イマジネーションが尽きません。

 
 

 
 

http://spaceyui.com/schedule/kishida_masumi2019.html

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2019.09.10:火曜日

 

 

 

表現力の確かさや技術の面でも、追随を許さない深谷良一さんの作品展でした。

本年は飼っている猫の大作が主役に、DMにも登場して評判を呼びました。昨年展示した同じシリーズの大作の猫も一緒に迫力ある展示になりました。

また渾身の、花々や植物を描いた新たな作品も素晴らしい完成度で大好評でした。

一方で、ご自分で作られた木の箱に深谷さん独特の作品が描かれ、完成度の高さに皆さんが驚かされました。

来年の夏は、また違った新しい企画で、皆様に素敵な作品をお届けできる予定です。どうぞお楽しみに!

 

 

 

 

http://spaceyui.com/schedule/hukaya_ryouichi2019.html

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2019.09.05:木曜日

 


今回の個展は、これ迄の水沢そらさん独特の表現形態であった紙を切り抜き着彩するというたいへん手間のかかる技法から、ダイレクトに筆のタッチで描くというシンプルな技法を初めて試みられた作品展でした。

水彩紙に顏彩絵の具が柔らかく滲む作品画面からは、水沢さんのメッセージが皆さんにきちんと届けられたと感じました。

水沢さんの文章をご紹介させて頂きます。

こんにちは。先日までYUIで個展を開催させて頂いた水沢そらと申します。早いもので、個展が終了してから2週間が経とうとしています。

今回の展示はYUIでは3回目、自分にとっては7回目(地方での巡回展や海外も含めると10回目)となる個展でした。

また今年はちょうど自分がイラストレーションを志してから10年目の年でもあります。

今だから言えるのですが、実はここ数年、僕は自分のイラストレーションに悩むことが多くなってきていました。

もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今まで僕は「切って、貼る」という切り絵の様な、貼り絵の様な技法をメインとして作品を制作してきました。

これは元々、イラストレーションを志した当初、まだお仕事もした事がない時に、絵の具を上手く使いこなせない時期があり、その時に半ばやけくそで紙を切って有りものの色紙の上に乗せてみたのがそもそもの始まりでした。

その技法を見つけた時はとても自由に感じ、その時に感じていた制作に対する閉塞感が一度に吹き飛んだのを今でも覚えています。

実際、そこからコンペなどにもひっかけて頂き、お仕事も少しずつですがだんだんとご依頼頂けるようになってきました。

ところが、そうしているうちにふと気がつくと、いつからかまたどことなく違和感を感じている自分がいることに気がつきました。

ここ数年の展示はその違和感を払拭するために、個展のテーマやコンセプトを考えてみたり、モチーフを意識してみたり、または画材を変えてみたりもしたのですが、残念ながらその違和感は一向に解消しません。

もちろんその展示、展示でベストを尽くしましたし、今でも後悔は全くないのですが、今から思うと「自分はこういう絵を描く作家なんだ、こういうスタイルでキャリアをスタートさせたのだからそれを守らなくてはいけない」

という自分ルールを勝手に決めて、勝手に縛られて勝手に苦しんでいたんだと思います。

今回、その全てをいったんフラットに戻し、全てのルールを捨て、自分なりに「自分のイラストレーション」を見つめ直したら、とっても気持ちの良い展示ができました。今までで一番気負わず、素直に準備ができた展示だったかもしれません。

もし、ご高覧頂いた皆様に楽しんで頂けたとしたら、僕も嬉しいです。

どうもありがとうございました。

水沢そら

 

―――

 

http://spaceyui.com/schedule/mizusawa_sora2019.html

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2019.08.05:月曜日

 


 
 
宮本崇輝さんが、扱いの難しいガラスという素材と向き合いその特徴を生かした美しさを追求して行く姿勢は、あまりに自然なので画廊を訪れる人は無論、道を歩きながら作品を目の端に捉えた人々にも伝わって行くのを感じます。

どのような所でどのような直観を得て制作に至るのか、作品ができあがるまで自分が経て来た道のりがどのようなものだったかを何方にも平等にお話しされる宮本さんの純粋な姿が多くの方々の心を打つように思えます。

昨年に続き、作品の中に込められた自然界の情景を映した、透明なガラスと海辺の砂浜や岩肌を感じさせる素材感の対比のあざやかさに、静かに圧倒されて行きます。

今回の展示作品では、あらためて宮本さんの作品の持つ力、そしてその力がすーっと人々に伝わって行く光景を見せて頂きました。

小さなオブジェを手の平に乗せた時の優しい感触と、キラッと輝きのある透明感が一体となった感覚に、親近感を感じて下さる方々が多かったのではないでしょうか?

27〜8才の頃から展示をして頂き、30代も半ばに差し掛かった今、まだまだ大きな可能性を秘められた宮本さんです。作品制作に一途な、そして謙虚な宮本さんのありのままの感じを、そのまま皆様が感じ取って下さる事を、たいへん嬉しく思います。

今回、宮本さんが作成されたとても自然体な、皆様へのご挨拶の文章を掲載させて頂きました。


 

吹きガラスで作品を作る。

窯の中で溶けたガラス。

ドロドロととても柔らかい。

時にまるで生き物の様だ。

ガラスにボクは近づく。

作品になれるよう手助けをする。

手を出し過ぎてはいけない。

手を出さな過ぎてはいけない。

良い塩梅。

ガラスとの距離感。

ガラスとの対話。

偶然と必然。

ボクとガラスの共同作業。

単なる素材だったガラスは作品へと成長する。

するとガラスは記憶と繋がり、無限に広がる。

なだらかな丘。

水平線。

海の中。

雪景色。

紅葉の山。

はっきり何かとは分からない。

だからガラスは無限に広がる。

ガラスとの距離感。

ガラスとの対話。

ボクとガラスの共同作業。

 

宮本 崇輝

 
 

 
http://spaceyui.com/schedule/miyamoto_takaki2019.html

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2019.07.31:水曜日

 


 実に31年ぶりとなる、1988年に発表された安西水丸カレンダーシリーズのシルクスクリーン作品展でした。1月から12月迄のテーマ別で、それぞれの月の季節感が楽しく表現された個展だったと思います。中には、何故3月のテーマが「犬?」とか9月は「UFO」なのかしら?などという部分もありましたが、七夕やスイカの女の子、スキーやクリスマスツリー等も登場、12ヶ月の風物詩的な興趣をたっぷりとご堪能頂けたのでは、と思っております。

 そして何より31年経過した現在に於いても、全く古さを感じられないどころか、更にフレッシュな印象でギャラリーにいらした方々に受け止められた事に対しましても、大きな驚きと喜びを感じました。

 1987年か88年の或る日に、安西氏がいつもの様にぶらっとギャラリーにいらっしゃり、三ヶ月置きに四度の個展を開催なさりたいとお申し出下さいました。

 現在の画廊の1/4の広さしかなかった当時の画廊空間を想定なさった上で水丸さんの、楽しく自由に感性を遊ばせる展示の企画構想だったと思います。

 そしてこのシリーズ第一回目の展示は、今回一番人気のあった「8月」のスイカの女の子の原型とも成る子供をモチーフにしたテキスタイルや水丸さんのお習字を額装したりと、リラックスした中にも完成度のある展示、そしてシリーズ第二回目はグッズの為のオリジナルなモチーフを普段仕様の陶器やTシャツに用いたギャラリーとしても初の試みだった展覧会を開催しましたが、それら二回の展示の直後に画廊は急に現在の場所に移転する事になりました。

 既に、作品も人々も当時の小さな空間ではみ出してしまっていたのを見かね、大家さんの早川さん、不動産屋さん、このギャラリーの以前の画廊オーナーの方の三名が一緒に現在の場所への移転へと導いて下さいました。

 自分自身、突然広がってしまう空間のキャパシティーに対応するのがすごく難しかった事を、今でも思い出されます。

 そのような状況の中での、水丸さんのこのシリーズ3度目の個展が「MIZUMARU CALENDAR」でした。

 通常の作品としておなじみの、細い線で描かれる卓上のモチーフや水平ライン等とで構成される美しく格好良いスタイルの作品とは意を異にする、太いラインによるキュートなキャラクターたちの登場に、ご覧になる方々も新鮮な印象をお持ち下さいました。

 水丸さんも画廊空間が広がった事で、大きな画面に大らかなキャラクターたちを生み出して下さったのかも知れません。

 あらためて過去を振り返りますと、SPACE YUIは、本当にたくさんの水丸さんとの展覧会の思い出に溢れている事に気付かされます。

 毎年続けて来たシルクスクリーン作品の制作も、敢て意識的に続けて来た訳ではございませんが、30年以上続けて参りますと自然に種類は数多くなります。

 作品の種類は多いのですが、水丸氏が版画家ではない事からエディションはどの作品もたいへん数少なく、本当に貴重なものと感じております。それでも、生前の水丸さんは、常に若い方々へ向けて、できる限り低めの価格での提供を求めておられました。画廊でも勿論異存なく、常に水丸氏と同じ感覚で歩んで参りました。

 水丸さんとの歩みはまだまだ続いていて、新しく水丸さんの作品に触れられた若い方々、そして従来のファンの方々へと、お届けしきれていない才気に溢れた力をご紹介する機会が待たれます。

 

 

http://spaceyui.com/schedule/mizumaru_anzai2019.html

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2019.07.23:火曜日

 



 
木村晴美さんの作品展、とても人気で、驚くほどたくさんの方々にご来廊いただきました。

 木村晴美さんの作品画面の、澄みわたる深い色合いの色調は、既視感のない素晴らしくオリジナリティのある「色彩の世界」でした。

 以前から感じていた事に、落ち着いた深く心に響く色彩は、どうしても明度や彩度が低くなりがちという自分の中のぼんやりとした見解の様なものがありましたが、木村さんの作品によって、見事に覆されました。

 作品の色彩の澄明さと共に届けられるモチーフの潔い形象も、たいへん視覚に心地よく感じられ、作品に囲まれてギャラリーに佇みますと、伝わって来る静かだけれど力強いパワーに魅きつけられます。

 深くて透明感のある色彩を一体どうして表現しているのかと、伺ってみました。すぐに教えて頂けましたが、そこに至るにはずいぶんと研究をされた事と想像いたします。

 素敵な感性と、研究されその感性をあまねく生かす技術を会得された作品のエネルギーは、作品を観る方々の心にストレートに届けられたと感じます。

 ご本人はとても穏やかな方ですが、そのパワーには秘められた力を感じます。今後の木村晴美さんの作品もたいへん楽しみです。

 フランスで出版された絵本には、ご自分で文章も書かれている木村晴美さんに今回の作品展についてのコメントをお願い致しました。画廊についてお寄せ頂いた文章の部分は恐縮なのですが、以下にご紹介させて頂きます。

 


 

スペースユイさんで個展をさせていただきたい!ドキドキしながら作品ファイルを持ち、ギャラリーを訪問したのが2016年。しかし人気のユイさんは、その時すでにスケジュールがいっぱいで念願叶わず。2018年、再チャレンジで今回の展覧会が実現しました!

これまで個展では、テーマや色合いを始めから決め、不思議な生き物たちが登場するものばかり描いていましたが、今回はそれらの作品とはちょっと違う雰囲気のものを描きたいと思い、日々思うこと、そこから膨らむイメージを、その日その時感じる色で描きました。いつもと違ったリズムで描いてみると、新鮮な気持ちで画面に向かうことができ、絵を描くことの楽しさが増え、自分にとって新しい一歩となった気がします。

ご来場くださいました方、興味を持ってくださいました方、そしてスペースユイさん、心より厚く感謝申し上げます。

この展覧会で皆さまからいただいたエネルギーを糧に、これからも制作に励んでまいりたいと思います。(木村晴美)

 

 

 

 

http://spaceyui.com/schedule/harumi_kimura2019.html

 

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