2021.03.05:金曜日

 
 

 
 
本年も山田博之さんの作品展が無事終了しました。
山田博之さんは、毎年テーマを決めて個展作品を描き上げ、会場全体の雰囲気を作品が醸成する世界観に染め上げられ、訪れた方々を楽しませて下さいます。
2021年個展のテーマは「Cactus:仙人掌」、壮観にさまざまなタイプのサボテンが描かれました。とても絵として映えるモチーフと思います。
作品全体をリアルに表現するタイプの作家さんと思いますが、スーパーリアルな表現に寄せながらも山田さん独自の省略の仕方や繊細に平面上で描き分ける描法などの巧みさ、しかもそれらを全体的にひとつの画面に定着させる画法はひじょうに魅力的で、本当に山田さん独自のものと感心致しております。
また、細密な表現とラフな線のタッチやペインティングと組み合わせたプレゼンテーションも山田さんのオリジナリティーを際立たせていると感じさせられます。今回の展示された作品の中にも、様々な表現によるご自分の作品の部分を切り取り、コラージュした作品が、「Cactus」とはまた別のパワーを放っておりました。
絵を描くという行為自体が、ごく自然に山田さんご自身と一体化していて、どのような作風でも自分のものとしてこなしてしまう、というエネルギッシュな力量は、あまり感じた事のない感慨です。
山田さんの来年の個展テーマを、今から楽しみにしております!
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/yamada_hiroyuki2021.html

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2021.02.23:火曜日

 
 

中村幸子+中村桃子
 
 
うつくしいひと・・・。
何ともこころ魅かれるタイトルです。
久しく温めていたギャラリーの企画展、中村幸子さんと長女の桃子さんによる2人展を開催いたしました。
 
  母・中村幸子とのはじめての2人展です。ひみつですが、
  タイトルは母からイメージしてすぐに決まりました。
  これは、そんな家族の戯れです。    中村桃子 ・・・(展覧会DMより)
 
スペースユイでは中村幸子さんと、数十年に及ぶお付き合いがあり、幸子さんの個展開催は元より、シルクスクリーン版画や多くのTシャツやファブリック等のグッズ類も、楽しく遊びながら作って来た歴史があります。
幸子さんは、デビュー当時からユニークな個性を持つ評判のイラストレーターでした。ミステリアスな多少の毒っ気の含まれたイラストレーションから、ファッショナブルなテイストの作品まで、多くの分野で多才ぶりを発揮いたしました。
中でも一番に魅かれた幸子さんの作風は、作品全体が醸成する、画面空間の背景から匂い立つように流れ出る美しい気配を持った女性像だったような気がいたします。
そして桃子さんの描く女性像も、フレッシュな清々しい空気感が真っ直ぐに心の奥にまで伝達され、作品を見る人の心が打たれるのです。
現在の桃子さんの活躍ぶりには、幸子さんのイラストレーターとして同世代時の感覚を彷彿とさせる、感慨深いものがあります。

桃子さんがまだ本当にBABYの頃、拙宅にて幸子さんや友人と時々時間を共にした記憶がありますが、あっという間に桃子さんは大きくなって立派なアーティストとして成長しました。
母、幸子さんの生来の個性である不思議な、次元を超えた世界観の表現は、人々と共感できる部分と不思議な謎の部分とがあると思われます。
ある意味現実感覚を相当逸脱した不思議な感覚を持ったアーティストとしての姿勢の幸子さんと共に生きて来られた桃子さんは、その魅力やテイストを充分に吸収され、消化&昇華しながらご自身の作風を作り上げて来られたのではないかと感じます。
そして展覧会場では、お二人の作品が画廊空間の中で呼応しあいながら、言葉には表現しがたい空気感を作り上げていると感じております。
幸子さんの画面からは4.5次元の振動が伝わって来て、理解は難しいけれど誰でもこの新たな感覚を美しいと感じられる。
桃子さんの瑞々しい作品は、幸子さんの作品よりコミュニケーションが容易な分、切なさの含まれた晴明なパワーを受け取ることに説明が要らない。そんな感じが伝わって参ります。

アーティストにとって、エゴイズムが勝っていてもそれはアーティストの特権なのではないかといった意見が多々ありますが、最近それは違うのではないかと思っております。
自由な心の中に花が開くように、絵画、音楽、演劇etc.、多分野において溢れ出た表現の時代を通過、60年代から現代へと今から振り返ると激動とも言える時代を通り抜けて、時が成熟した今、人々は気がついていると感じます。
クリエイティブな創造的な精神は、「思いやり」というごく当たり前の心をすでに肉体化していて、一番に捉え、そんなこと言葉にする必要のないほど自然体なのかも知れません。
目に見えない次元を示唆する不思議な世界観を描く幸子さんの、思いがけない強くきっぱりとした思いやりの心に何度も遭遇し、感動した記憶があります。
様々なことがらを乗り超えて、多様な個性を内包し年齢の力も借りながら紡ぎ出される幸子さんの作品からは、辺りを祓うかのような引力が感じられます。
また、桃子さんがしっかりとそんな美質を受け継がれ、新たな力へと育み、驚く程多くの方々の共感を得ておられることが頼もしく、素晴らしいことと思います。
 
桃子さんのイメージする「うつくしいひと」が、幸子さんである感慨に、他人が実に僭越なことですが、胸が熱くなる思いです。
 
 

中村桃子
 
 

中村幸子
 
 
http://spaceyui.com/schedule/nakamurasachiko-nakamuramomoko.html

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2021.02.13:土曜日

 
 

 
 
 堂前さんの最初の個展から、知らぬ間に11年目を迎えました!
 そして、函館からいらっしゃる堂前さんの作品を心待ちにして下さる方々が年々増えて参りました。今年は、新たな表現方法の作品と、更にパワーアップした以前からの描法の作品とで、素晴らしい展示ができました。
 静かな佇まいの堂前さんですがご自身の中に結実した豊かな経験から、実はお話しするととても楽しい方です!
 会期中に偶然お出かけ頂いた、函館出身のイラストレーターの水沢そらさんのご実家のお店だった木造のレトロな建物と、堂前さんの現在のお店である、はこだて工藝舎へ引っ越される以前のお店が同じ建物だったという偶然も発覚!お二人が不思議なご縁で繋がっていたことがわかりました!
 現在のはこだて工藝舎も歴史的な立派な建造物、そしてそれ以前は港町特有のエキゾチックな木造建築の建物を店舗に選ばれている堂前さんの感性に、あらためて感じ入っております。
 堂前さんの作品の中には函館の街の風景が描かれたものも時々あって、見ほれてしまいます!
 今回は、堂前さんに想像力を刺激される素敵な文章をお寄せ頂きましたのでご紹介させて頂きます。
 

 
 今住んでいる函館には高校入学の時に初めて来て、それはもう47年前にもなります。あれからいろいろな所に住みました。その結果たった3年間の下宿生活の中で過ごした記憶が、今の函館生活に繋がっています。当然当時は若く何も分かっていませんでしたが、まだ町も少し元気があったのでしょう、よくいろいろな所を歩き廻りました。
 陶器を作る場所として仕事場を探しに戻って来たのが30年前になります。バブルも終わって町もだいぶ傷みが出始めた頃だったのか、古い建物も次々と壊され、それ以来今も空き地が増えています。住む人がいなくなって窓ガラスが破れ、雪で屋根が壊れそうになっている家を散歩途中に見ても、普通の景色になりました。窓からは昨日まで人が住んでいたように台所道具がぶら下がったままで、通り過ぎるたびに目が行きます。ここでどんな生活があり、玄関を開けてどんな人が出入りしていたのだろうと、つい思ってしまいます。
 特に立派な家ではなくても、物語が感じられたり浮かんだりする街並みが残る町が、函館旧市街地です。そういう事を感じる年頃になったと言うことかもしれませんが、高校時代も同じように感じていたので、今ここにいるのでしょう。
 いつか作品を見て何か函館生活が感じられるような物が作れればと思っています。
 
 今年が普通の年で過ごせますように。
 
堂前守人
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/doumae_morito2021.html

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2021.02.04:木曜日

 
 

 
 
コロナ禍の影響が1年以上経っても尾を引いている今、世界が止まってしまったかの様に感じられる日々を私たちは過ごしていると感じております。
法的なストップも補償もないまま、昼間の時間も外出を控えることを推奨する政治家たちの声を聞きながら、私たちは矛盾の中で仕事を進め生きて行かなければなりません。
素晴らしい作品を通常の状況の中で皆様に提供でき、共に楽しむ時間を共有できたら、と思わずにはいられません。
創造に携わる人々は、そんな状態でもエネルギーを全開にして創作を続けて行くことを余儀なくされます。
そして、星野哲朗さんの作品展では、昨年も本年もコロナ禍の中でのリスクある時期の開催にも関わらず作品の圧倒的なパワーを皆様に届けることができたのではないかと思っております。
元々、ペインティングの作家の方はエネルギッシュですが、星野さんも、例に違わず大きなパワーを抱いている方です。
いつもキャンバス上に思いの丈を全て表すかの様に、丁寧な様式美溢れる星野さん独特のテクスチュアを以って画面を完成に導きます。
星野さんの作品は、ひとつ々の画面の中に沢山の思いが込められていて、見応えたっぷりです。
しかし時には、画面のヴィジュアルの情報量やメッセージが多くて、時間をかけて観賞しないと人々が受け止めきれない場合があると感じました。
その為ギャラリーでは、星野さんの持つ内在的なホスピタリティーを表すには、引き算的な思考スタイルが良いのではないかと思うに至りました。時代を生きる人々は、忙しくリスキーな問題を抱えています。
そうして、星野さんの作品としては小さなシンプルな作品に、人々は共感を持ち所有したいと思って下さいました。
本年の個展では、星野さんに画廊サイドからの勝手な申し出を引き受けて頂き、本当に感謝しております。
来年の作品も、自信作をすでに手がけていると伺いました。星野哲朗さんの創作意欲に脱帽です!皆様どうぞ来年の星野さんの個展もお楽しみになさって下さい!
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/hoshino_teturo2021.html

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2021.01.31:日曜日

 
 

 
 
 谷口広樹さんの、作品に向かわれる姿勢をずっと拝見させて頂いていて、そのエネルギーとチャレンジ精神に対し、いつも驚きと尊敬の念を抱いておりました。
 長年ずっとトップを走り続けられている谷口広樹さんの膨大な分量の作品の中には、人々が未だ見ていないご本人さえも忘れているかも知れない珠玉の作品があるのではないかと想像致しました。
 今回は、そんな僭越なギャラリーサイドからの希望を快くお引き受け頂き、谷口さんのアンソロジーアルバムの様な版画作品と共に新たな息使いのフレッシュな新作品の展示が実現できた事をとても嬉しく思っております。
 谷口さんから、今個展につきましての素敵な文章をお寄せ頂きました。
  ↓
 
 コロナ禍の中、緊急事態宣言も発令されたにも拘らず、個展「儘風―mama kaze」をたくさんの方にご高覧いただき、感謝の意に耐えません。改めて「儘風(ままかぜ)」という個展のコンセプトについて触れておかねばと思います。
 昨年、世の中はコロナ一色となり、自分と対峙する時間が増えていきました。お陰で、忙しさに追いやっていた自分というものを取り戻すこととなり、本来の自分の趣味志向というものが浮上しました。特に霊的なことへの関心が噴出し、改めて学習・研究すべきことが山のようにあることを再確認しました。
 そんな状況の中、個展についてのインスピレーションをいただきました。この数年「花」を自由に描く表現を「儘花(ままはな)」と名付け嵌っていますが、「新しい時代」を受け、花を風に置き換え「儘風」としてみようと思い立ちました。「風」を描いていこうという訳ではなく「風の如く儘よ!」という「気持ち(=精神)」を表現することを主体として描いたらと考えたのです。「新しい時代」とは何か?それは「風の時代」ということです。これはコロナの吹き荒れる時間の中で再認識した占星術から得たものです。
 2020年12月22日が過ぎ、200年続いた土の時代が終わり、風の時代が到来したそうです。その変化の過程の中で、昨年は疾風怒濤の如くいろいろなことが起こり、我々は時代の変化を眼の当たりにしました。時代が変わっていくことで価値観の変化が起こり、その不安は当然あるのですが、むしろわくわくとしてこれからの時代に思いを馳せている自分がいました。この状況下に屈しない意外とタフな自分にも評価しつつ、これからの時代をどう生きていくかと、今、思案しているところです。
 私もあと30年生きるかどうかという年齢になりましたが、残る人生はしっかりと「いのち」を燃焼していかねばと心に刻んでいるところです。風の時代を迎え、私自身がどんなものを創造することができるのかということがとても楽しみです。
 コロナとそれによる経済的な混乱等、人々にとっての試練がまだまだ続くだろうと予想されます。みなさんが心穏やかに過ごされますよう心より祈念しています。
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/hiroki_taniguchi2021.html

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2021.01.10:日曜日

 

2019年3月に続いて「PLANTS OF PLANET vol.2」という展覧会を計画致しました。
SPACE YUIには、YUI DROPSというアロマテラピーコーナーの存在があり、エッセンシャルオイルやフラワーウォーター等、厳選したアイテムを取り扱っております。
そして出品者の皆様は、植物のパワーや不思議な魅力をテーマにしたこの企画展の意図をステキに読み解いて下さり、素晴らしい作品を発表していただきました。
今回は、出品者の方々の作品をご紹介させて頂きます。
★出品者名:

伊丹裕、東逸子、萩原美里、門川洋子、北沢夕芸、北見隆、木村かほる、木村晴美、沢野弓子、須川まきこ、 下川路博美、 建石修志、谷口シロウ、谷口広樹、民野宏之、星野哲朗、松川けんし、水沢そら (敬称略)
 

 

*出品者の方々を代表しアロマテラピーの神秘的、深淵な側面を見事に表現して下さいました。
 

 

*「植物の量子力学」というタイトルに魅かれます。7.83Hzは地球の振動数・・。
 

 

*凜とした叙情的な空気感の中、柑橘の香りが漂います。
 

 

*eucalyptusというタイトルと名前、神話の登場人物のようです。
 

 

*植物の精は視覚に映らなくても、実際にはこの様に存在している。
 

 

*白地に浮かぶレリーフの植物のかたち。そして、はかなげな天使。
 

 

*くっきりとあざやかに、しかも透明感を携えて。
 

 

*流れる小川に、花々に囲まれたゆたう。タイトルは、ー休息ー
 

 

*心踊らされる靴のかたち、小さなネックレス。コラージュのモチーフは身近な装身具。
 

 

*花々の香りの中のわたし。
 

 

*荘厳な薔薇の精は、人間の顔をも持つ。
 

 

*Adam & Eve。人類の原型。神々の系譜はまた、人に準えられる。
 

 

*宇宙の花や植物たち、互いに語り合う。
 

 

*美しく、小さな花を真正面から描く。オキーフだけの構図ではなく。
 

 

*男性の集合的無意識の中にある女性像の原形であるアニマ・・・?。
 

 

*白い紙の張り子、そしてアルミのツリー。整合性あるフォルム!
 

 

*古代から草花の様子も少女の眼差しも変わらない。
 

 
http://spaceyui.com/schedule/plants-of-planet-vol-2.html

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2020.12.22:火曜日

 

 

 

 
誰も真似のできない信耕ヒロ子さんの籐の作品には、遊び心いっぱいの楽しさが溢れます。
そして作品は、楽しさだけではなく、ダイナミックな迫力が人々を惹きつけます。
正確な描写力で籐という素材を編み、作品として作り上げて行きますが、小さな肖像のオブジェ等はモデルになったミュージシャンや政治家たちに実に良く似ていて驚かされるのです。
またご本人自身もユニークで個性豊かな信耕ヒロ子さんは、映画のヒロインにも抜擢され、その映画がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)のグランプリを取られました。
会場にはその映画と、信耕さんの作品がモチーフとなった演劇的な映像もギャラリー会場に流れておりました。
信耕さんが、籐というオリジナルな素材を駆使して制作されるオブジェは、小さな手のひらに乗る可愛らしい作品から、等身大の人間まで、本当に自由自在なのです。
信耕さんには、籐という、オリジナルな可能性に満ちた不思議な素材で、更に私たちを驚かせて頂きたいです!
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/shinkohiroko_2020.html

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2020.12.21:月曜日

 

 

 

 
昨年の秋、当画廊では最初の個展でしたが、たいへん好評を博した荻原美里さんの個展が開催されました。
個展終了後も魅力的な作家による書籍の装幀等のオファー等が絶えず、その人気の程がしのばれました。
おしゃれな北方系の都会的エッセンスの気配をはらむ荻原さんの作品は、どこか寂しげなアンニュイな感覚が流れますが、人間の温もりが潜んでいて、作品に触れた人々の心に残ります。
多才な荻原さんは、文章も素敵です。下記にご紹介させて頂きます。
 

 
2020年12月12日 個展を終えて

朝、いつものようにブラインドを開けたらどんよりとした曇り空。じっと目を凝らしてみるとあいにくの雨。
 
もう一年。今年は特に早く感じた。自粛期間があったせいかもしれないし、歳のせいかもしれない。果たして人は来てくれるのだろうか・・・
 
たった一人でも観に来てくれるなら、その人がドアを開けて、私の作品たちを眺め、最後に背中を向けて帰る時、何か大切なものを思い出し、余韻がいつまでも続くそんな個展にしたいと思った。何度も何度も自分が観に行く立場になってイメージを重ねた。音、森の香り、偉人たちの言葉、そして一枚一枚の作品。
 
私の作品は水彩画なので、どこかサラっとしていて、色も寒色が多い。もしかしたら、普通だったら気づかずに通り過ぎてしまう作品たちなのかもしれないけど、透明なセロハンを重ねるように何層も色を重ね深みを出している。偶然の滲みや色の重ね、削り出し、白をかけて行く工程は人生を歩むのとよく似ているのかもしれない。今回の個展のDMに使用した「Day in the life」はこの世の中、大変な状況の中で、必死に個々の人生を戦い生きている人に、一度深呼吸をして叫びながら雪の中を心の中で走ってもらいたかった。何度も転びながら、冷たくて硬い大地を、先の見えない自分の人生に向かってただただ走ってもらいたかった。
 
最後に、お忙しいところ、足を運んで下さった皆様、会場を提供して下さったSPACE YUIの皆様、ありがとうございました。素晴らしい出会いと皆さまにお寄せいただいた声を励みに、これからもまた、お目にかかれる日を楽しみにコツコツと作品を制作していきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


 
簡単ではございますが、書中にてお礼申し上げます。
 
 
「涙が出そうになるくらいに、生きろ」
Live to the point of tears.
 
Albert Camus
                                         
                                           荻原美里
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/ogiwaramisato_2020.html

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2020.12.15:火曜日

 

 

 

 

今年の松本圭以子さんの展覧会テーマは、昨年に引き続き「猫」がテーマの、「しっぽの続き」と題した作品展でした。
表情豊かな猫の肖像画が、ギャラリー空間に、壮観に展示されました。主人公である黒猫の日々の生活のひとこまひとこまが楽しく丁寧に描かれた作品は、猫好きにはもち論ですが、猫に興味のない方々にもたいへん興味を持たれました。
パステルを主体とした画材で時間を重ねてリサーチされた猫の姿態や顔の表情が表現された画面からは、プロフェッショナルなイラストレーターの重みが伝わって来るようです。
ずっと大人向けのイラストレーションの仕事が多かった松本圭以子さんですが、最近は、絵本や児童書の出版関係の方々から興味を持たれる事が多く、たいへん人気があります。
作家の野中柊さんとのお仕事での児童書、ルビねこシリーズ第二弾「ルビとしっぽの秘密」の原画も一部展示され、好評を博しました。
「猫」を通して皆様の心が温まって欲しいという作者の試みは、見事に伝わっていったのではないでしょうか。
確かなテクニックと観察能力とで、絶え間なくイラストレーターとして、活躍を続けておられる松本さんの今後が楽しみです。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/matsumotokeiko_2020.html

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2020.12.08:火曜日

 

 

 

 
2018年の個展に引き続いて、今回も「髪」がテーマの作品が生まれました。
2018年は「舞毛」、今年2020年は「乱気流」というタイトルで個展が開催されました。
展覧会の開催前に、須川まきこ個展「乱気流」のDMを拝見した時、何やら今の時代を表すようなタイトルの音の響きと共に、豊かな長い髪をセクシーになびかせた女性の肖像の上にレイアウトされた高橋善丸さんデザインの文字も素晴らしく、今回展示作品の完成度の高さが想像されました。
搬入時に作品の開梱を終了した際には、意に違わず全ての作品がエンターテイメント精神いっぱいに、力強く表現されているのが見てとれました。
女性たちの長くヴォリュームのある髪が風にたなびき、アールヌーボー様式のような曲線を描く様子は、いつしかひじょうに個性的な須川さんの作品モチーフとして定着しており、これからも独自の表現として進化し続けて行かれるのでしょう。
毎回驚くほど多くの方々が訪れる人気者の須川まきこさんの個展は、コロナの状況も変わらず良くならない中での開催でしたが、皆さんの心の中のもやもやした感情をいっとき拭い去ってくれる力があったと思います。
須川さんの作品には、全てに渡り人を喜ばせよう、楽しんで頂こう、という精神が息づいていて、作品を拝見していると、とても楽しい気分にさせられます。
作品を見てその力を見る側が受け取って感じるということは、作者も見る側の人々からエネルギーを頂けるという感覚があります。
作家と作品と来廊される方々とのサーキュレーションが素敵ですと、ギャラリー空間もハッピーな感性に満たされます。そのような時が、ギャラリーの人間として、とても稀有な幸運な経験と思うのです。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/exhibition/sugawamakiko_2020.html

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