2019.12.03:火曜日

 

 

 

 
愛らしくおどけた表情の登場人物たちを丁寧なペインティング描写で表現した島袋さんの作品展が、4年ぶりに開催されました。
元ギャラリースタッフもして頂いていたイラストレーターの島袋千栄さんは、楽しく陽性な性格で人々への視線も優しくて、一緒にお仕事している時もとても楽しい時間を過ごさせて頂きました。
そんな島袋さんが描くキャラクターや動物たちの表情はキュートでお茶目で、可愛らしさがほとばしる様です。
可愛らしいものたちを、確かな技術の力で丁寧に描かれた作品は自ずと力を持ち、大人の心だけでなく、大人の中の幼心、そして子供たちの心を捉えるのも当然の事と思います。
シンプルなタッチやデフォルメされた表現等、現代には多くの個性を持った子供の為の絵本やヴィジュアルがありますが、登場人物も様々な情景の描写も、実は綿密に描き込まれたタイプのものが一番ダイレクトに強く子供心に入って行くのではないでしょうか。
今回は作者によってカベドールと名付けられた布地に描かれふっくらと立体的になった人形たちにそれぞれの舞台装置が施され、楽しく見応えのあるプレゼンテーションで展示されました。
島袋さんにもコメントを書いて頂きましたので、ご紹介いたします。
  
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4年振り、それも初めてのカベドールと言うオリジナル人形の個展で、かなり不安でしたが沢山の方に観に来て頂き、有難うございました。
終わってみて、反省点や今後の課題など色々なことが発見出来て、私にとってとても有意義な展覧会となりました。
次のカベドールを発表する際はもっと面白いものにしたいと、既に頭のなかで沸沸とアイデアが浮かんで来ております。
次回を楽しみにして頂けたら幸いです。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/exhibition/shimabukuro_chie2019.html

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2019.11.20:水曜日

 

 

 

 
荻原美里さんの、当画廊では初めての個展が開催されました。大きめのダイレクトメールは開催以前からとても好評を得ており、荻原さんの個展を楽しみにされている方が大勢いらっしゃいました。全作品に流れる穏やかな気配の静謐な情景は、叙情性溢れる雰囲気ある作品でした。以下に荻原さんのコメントをご紹介させて頂きますね。
  

 
「SPACE YUI」2019年11月11日〜16日個展を終えて
 
2018年6月12日曇りガラスの重いドアを開けたときから始まった。
 
いろいろなことが重なって偶然かもしれないけど、ここで個展をすることになり、結果として素晴らしい魅力的な空間で作品を発表できたことに感謝してます。
 
改めて自分と向き合うことができたのかもしれません。
 
2018年秋に予定していた大きな個展が突然延期になり、私の作品を発表する場所が本当に突然無くなってしまった。どうしよう。どこかで発表したい。作品を描きたい。そんな想いからSPACE YUIのドアを開けました。大学生の頃、イラストレーターのアシスタントのアルバイトでよく通っていた青山。アンデルセンでクラムチャウダーをよく頼まれて買いに行っていたあの頃。どこか憧れがあり、純粋でまだ世間知らずの美大生の自分を思い出す場所でもあります。
 
そんな場所に約40年も前からあるSPACE YUIで個展ができたことは私にとって喜びでもあり、いい経験にもなりました。
 
私にとって個展は音楽に例えるとアルバムを作るようなモノです。作品を眺めていただき、何かを感じ大切なものを思い出してもらう。そんな個展にしたいと思いました。題材は様々で統一性はないかもしれません。お菓子も置いちゃったりしてますからね(笑)ただ余韻が感じられる風景やモノ。ユーカリの香り、アンビエントな音楽と共に心地の良い風、空気感。全体を通してご覧いただき、家に帰っても余韻が残る。そんな個展(アルバム)になったんではないでしょうか。お忙しいところ、足を運んで下さった皆様、会場を提供して下さったSPACE YUIの皆様、新しい出会いに感謝してます。ありがとうございました。
 
これからも森で鳥のさえずりを聞きながら、都会で変わり行く空を見上げながら様々な場所で暮らし、イエスと言ってもらえる作品制作をしていきます。
 
「魅力とは明瞭な質問をしなくてもイエスと言ってもらう方法である。」
You know what charm is: a way of getting the answer ‘yes’ without having asked any clear question.
 
Albert Camus
 
荻原美里
Misato Ogihara
 

 

 

 
http://spaceyui.com/exhibition/ogiwara_misato2019.html

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2019.11.16:土曜日

 

 

 

 
 古村耀子さんの個展「モード」は、そのタイトルの通りおしゃれな感覚溢れる展覧会でした。昨年に引き続いて、作品画面にはスタイリッシュなインテリアと素敵な大人の女性が登場、全体的な雰囲気が「モード」です!
 古村さん独自のメソッドによりデフォルメされ、個性豊かに表現された女性たちは、同じくグラフィックデザインのリズムが組み込まれたように格好良くインテリアデザインされた空間の中で素敵に誇り高く佇んでいると感じます。
 古村さんのイラストレーションは、とても若々しく瑞々しい感性を感じますが、実は熟練された理性的かつ構築的な作品です。
 そして既にデザインされたファニチュア等を、もう一度ご自身の作品画面上にアートディレクションし、静かな感情を醸成しながら創り上げて行かれるプロセスがとても楽しげに感じられるのです。
 壁や床等の画面を大きく色取るスペースエリアのマチエール、プロダクトデザインされたシャープな家具や照明器具と、大胆にかたちづくられた人物とで構成された古村さんだけの画風は、大きなインパクトで人の心に残り、潔い画面がこれからどのように展開されるのかと多くの方々が注目されています。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/exhibition/komura_yoko2019.html

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2019.11.12:火曜日

 

 

 

 
注目のイラストレーター、門川洋子さんの個展「Secret Letters」に出品された作品の完成度はひじょうに高く、モチーフの選び方や組み合わせの意外性などにも楽しいアイデアが盛り込まれました。
門川さんの作品は、元よりたいへん描き込みの丁寧な技法でしたが、今年の個展の作品は更に視線がディープになり、繊細なデリケイトな描写が印象的でした。 中でも硬質な鋭さを持つ素材を柔らかなもので包み込む、といったコンストラクションを持つ画面の数点の作品は圧巻!という言葉が浮びます。
包み込まれる物は、刃物であったり工具であったりと金属質であるけれど少し優しい金属の感覚、テクスチュアは鉱物質に近いかも知れません。そのようなモチーフをふわふわな羽が包み、時にはリアルな質感を持ったレース糸で編まれた幅広の優雅なリボンが覆います。
そして鋭利な素材と柔らかな優しい素材とは、ひじょうに対照的な感覚をもたらし、その対比の感じは解答のないままに心に残りますが、ふと両者は遠大な時を経て同質なものに集約して行くのではないのかという思いがして参ります。
それは、門川さんが今回の作品を描く上で用いられた色鉛筆という画材が、その両者の対極的な質感の架け橋となって魔法をかけたのかも知れません。
リアルに描写された小さな機械や花や葉等のモチーフも、写実を超えて行くエネルギーと美しさがあり魅力的でした。
 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/kadokawa-youko2019.html

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2019.11.04:月曜日

 

 

 

 
今年の沢野弓子さんの個展初日の朝は、いち早くお出かけ頂いた二組のお客様のお求めになりたい作品がバッティングし、複数の作品をご予約下さった方がもう一人の方にお譲りする、という一幕もありました。毎年開催の度に注目の高まる沢野弓子さんの個展オープン時から始まった賑わいは、会期の終わるまで続きました。
今回はタイトルも「動物の謝肉祭」、様々な動物たちに彩られた楽しい作品が並びました。テーマである動物たちがモチーフの作品がギャラリーを所狭しと展開され、元気なエネルギーに充ちた展示となりました。
世界を回ってご自身の足で求められた生地は、既視感のない珍しい模様や素材のものから既に日本には失われてしまった懐かしく素朴な素材など、クオリティーの高いものばかりです。
そのような素材を用いてコラージュされたバッグですが、ひとつひとつの持ち味も異なる見応えある素敵な作品として完成しております。
バッグの他、ボタンや布や身近な素材を使ってブローチも創られます。ラフな服装にも少しゴージャスな装いにも用いる事のできるアクセサリーとしての小さなオブジェは身につけるアート、生活に密着した作品として皆さんに受け入れられています。デザイン的にもバランスの取れた温かな思いのこもったエネルギーを人々は見逃しません。
次回は2021年の開催となりますが、今年作品を手に入れる事のできなかった方も含め、早くも再来年の個展を待つ人が多くおられます。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/sawano-yumiko2019.html

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2019.10.28:月曜日

 
 

 
 
入谷桂子さんの個展「Keiko Iritani アリス」、楽しい展示でした。入谷桂子さん制作の縫いぐるみの登場人物や動物たちは、技術的なファウンデーションに裏打ちされた見応えのある作品です。
今回の個展では、入谷さんの作品に独特の個性が宿ったように思えます。入谷さんのアリス、入谷さんのチェシャ猫、三月うさぎ・・・、と言うように。
巨匠といった方を始め、本当に様々なアーティストがアリスを描かれておりますが、今回の個展で見事に入谷さんはご自身のアリスを創作されたと思います。
「不思議の国のアリス」という、皆が大好きなアイコンの胸を借りての表現は、多難な事もあったことと思います。そして、平面ヴィジュアルとしてのオリジナルを立体作品として実際に創り上げて行く工程は、たいへんなご苦労も多かったのでは、と想像致します。
金子國義さんや四谷シモンさんとの交流も深い元婦人公論編集長の吉田好男さんにもお出かけ頂き応援の言葉を頂いた事も嬉しい出来事でした。
そう言えば、宇野亜喜良さんに以前アリスの展覧会をリクエストした時に、資料集めに奔走、ご一緒したりしましたが、ネコ(金子さんの愛称です)のアリスは超えられないからと断念された事等を懐かしく思い出しております。
 
 

 
 
http://spaceyui.com/exhibition/keiko-iritani2019.html

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2019.10.20:日曜日

 
 

 
 

広告、装幀のイラストレーションから絵本、と各分野から多数のオファーが絶えない、今最も注目される作家河井いづみさんの個展作品は多忙な時間の中から生まれました。

河井さんの作品は、鉛筆画とリトグラフとの二通りの技法が主体です。この二つの表現技法に共通する特徴と魅力は、やはりマットな独特の柔らかいテクスチュアを持った作風と思います。

その独特な質感・・・、雰囲気のある紙とその紙に触れるタッチから生まれる柔らかさと怜悧さとの相俟ったエネルギーは、人を魅きつける力を持ち、作品を観た人を立ち止まらせます。

大注目を浴びる河井いづみさんの先取りされたヴィジュアルセンスも、誠実に鍛えたファウンデーション、表現力が土台にあってこそその実力が発揮されるのでしょう。

来年、多忙のため個展はお休み致しますが8月に開催の画廊企画展(三人展)にご参加頂きます。2021年秋には再び河井いづみさんの素敵な作品の個展を予定しておりますので、どうぞお楽しみになさって下さい。

また、今年はかつてない大型の台風19号の来襲と重なった最終日の土曜日を急遽日曜日に予定を変更する等の出来事もありました。

 
 

 
 

http://spaceyui.com/schedule/kawai_idumi2019.html

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2019.10.13:日曜日

 


 

アフリカへの旅が多く、ケニヤの人々の家の外壁にペインティングしたり!、現地の人々との交流が続くシーノ・タカヒデさんの毎年恒例の個展が今年も開催されました。いろいろな驚異的なエピソードがありますが、その中でも特に印象深いシーノさんのお話をご紹介させて頂きます。

☆『象』…を食べた日 ☆

リュツルの森からザイール川を渡り

セントラルアフリカの首都バンギを目指していた

途中 ジャングルを移動するため

カミオンをヒッチし移動

夜は 満天の星空

カミオンの下で眠りにつく

昼間は

ヒッチしたトラックのホロの上に振り落とされないように

しっかりと体をゴムでしばり ただ ただジャングルを走り続ける

旅の移動

途中名も知らぬ小さな村に止まった

日も暮れかかり急いで空腹を満たす為食べ物を探した

ヒッチハイクの旅は休憩時間も運転手次第

しかも フランス語なのでちっとも解らない?

ヘロヘロになりながら小さなマルシェにたどり着き

言葉がわからないまま身振り手振りで食べ物を探す

何とか食事ができそうな場所を探しあてた

とにかく知ってる単語を並べて食べ物を注文する

店主は 白い歯を見せながら何かの塊を持ってきた

出てきたのが何か解らないままかぶり付くが『肉?』

…と言う事はわかったんだが

まるで歯が立たない

腹が減っているせいかそのゴムのようなその肉を

何とか嚙み切り呑み込んだ

ろうそくの灯りの下でその食べ物と格闘しながら

少しずつ飲み込んでいった

夕日が沈みかけ蝋燭越しに人影がちらほら

少しずつ目が慣れお腹も落ち着いた頃

店主にこのほし肉の正体を恐る恐る尋ねてみた

店主は

満面の笑みを浮かべて「象❗️だ」….と笑って答えた

えっ!

正体は『象の干し肉』…だった

…と、ふと座っている椅子に目線をやると

その椅子には大きな爪が…

ぼくは…象の足で作ったイスに座っていた

   ☆

…帰国後ぼくは肉を食べるのを止めた
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/shino_takahide2019.html

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2019.10.09:水曜日

 
 

 
 
卯月俊光さんの作品、昨年から新たなチャレンジをされているように感じておりましたが、今年は更に、新鮮な息吹きを感じました。

「OVAL ーひとつの宇宙ー」というタイトルが示すように、比較的小さめな画面内に楕円形のモチーフが中心となり、円形や美しい細いラインの繰り返しと言ったリズミカルな表現も加わって、卯月さん独自の世界観が表現されました。

花々や月や雲、また朧な空気感や雨模様など、日本の伝統的な表現世界に通じるモチーフや作品の構図や染色等の技術的な側面から感じられる静謐な様式美には、積み重ねられた時間や人々の経験則や叡智から成る圧倒的な力があると思います。

卯月さんが表現されようとしている、そのような様式を湛えた作品を個性豊かに制作するということは、想像以上に難しく困難な場面も多々あるでしょう。

その上にポップな味わいも加味された卯月さんの作品は、今の時代を生きる人々にとって様々な角度から楽しめる共有感覚を呼び覚まされるように思います。
 
 


 
 
http://spaceyui.com/schedule/utuki_toshimitu2019.html

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2019.10.03:木曜日

 

 

スペースユイでは、二度目となる百瀬恒彦さんの写真展が開催されました。

今回は、ニューヨーク近郊に住むアーミッシュと呼ばれる人々の日々の情景がテーマでした。

電気も通らない、電話等の通信機器も持たず、自動車の変わりに馬車を使うという、現代の文明に頼らない生活を選んだアーミッシュの人々は、もち論写真に写される事も好みません。

百瀬さんは、撮影に要する短い期間に若い女性たちの初々しい笑顔や子供たちの楽しそうな笑顔を逃さず捉える事に成功しました。

そしてアーミッシュの人々と一般の人々の住居とは混在していて、夜になり電気のついている家とそうでない家とで区別がつくのだそうです。

また、今回の展示表現として、ニューヨークの街の光景とアーミッシュの集落や人物とを交互に並べ鑑賞できた事も、その対比を皆さんに楽しんで頂けたと思っております。

百瀬さんの作品に魅かれた若い方々も多くお出かけ頂いた事も印象的でした。

百瀬さんの提案では次回はキューバがテーマの展覧会で、その次にマザーテレサの肖像の展覧会を、という事です。そしてどの作品も魅力あるものばかりですが、マザーテレサの表情とその捉え方が強く印象に残りました。

マザーテレサは多くの写真家によって世に出ており、私も他の写真家の方々を存じ上げていますが、百瀬さんの写し取ったマザーテレサの顏が忘れられません。畏怖を感じるほど強烈な優しさといった風な感慨を初めて持ちました。

優れた作家のポジティブな力を持つ作品は、確実に人々の心に繋がって行くと思いますので、今の時代、特に百瀬さんによるマザーテレサの肖像写真の展示が待たれます。

 

 

 

http://spaceyui.com/schedule/momose_tunehiko2019.html

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