2011.07.31:日曜日
横尾忠則氏も参加の記念すべき展覧会が始まった事について・・・。

「宇野亜喜良の自由の女神へのイタズラ描き展」のオープニングの夕べ、参加者の皆さん続々と集まって下さいました。

先々週、大好評だった本橋成一氏との展覧会が終ったばかりのスズキコージさんや、小池アミーゴさん、あずみ虫さん、須川まきこさん、石川和男さん、舟橋全二さんとささめやゆきさんのいとこ同士、和田さんもはるみさんもいらっしゃいます。北海道から民野宏之さんもかけつけました。

宴もたけなわな頃、元イラストレーション誌編集長の片桐氏達と宇野さんを囲んで談笑していた時に、宇野さんからこちらに変化球が投げられました。「木村さんは、イラストレーションを尊重していないよね。」いつもの宇野さんらしいおかし味の込められた球ですが、一瞬片桐さんが真面目な顔つきになり、私の方を見つめます。「宇野さん、人聞きの悪い事を言わないで下さい。そんな事一度も言った事ありません。」と多少あきれ気味に私。

冗談めかして宇野さんがおっしゃったこの問題に関しては、案外に深い問題を孕んでいるのかも知れない! と今になって思います。宇野さんは、私がイラストレーションを絵画と同等のものとしてしか扱いたくないんでしょ、ともうひとつくせ球を投げましたが、それに関する私の返答はこちらです。

「元々全てのものを線引きすることをせずに感じたいだけです。マンガもアニメーションも絵画もイラストレーションもどすんと感動が来るものが好きで、ファインアートと自ら称していても心にどすんと来なければアートとは感じないし、イラストレーションより絵画が優れている等の議論は無意味で、ジャンル分けして価値を決めつけることはできないと思う。一方、商業美術として流通と密接にリンクするイラストレーションと一線を画して、魂の表現としての別の世界観であるところのアートも厳然と存在する」等とビールが回った頭で偉そうに語った気がします。そして片桐さんから言われました。「それなら納得です。以前にも木村さんにその様に言われてoooを断られましたから」そんな生意気そうな言動で何かをお断りしたという過去の事もすっかり忘れていて、oooというのはその時聞きましたのに、何であったかどうしても思い出せないのですが、言っていた事は以前から変わってなかったのかな、と少し安心しました。片桐さんはあくまでも理性的な方です。助かります。

そして、媒体を伴うイラストレーションという表現方法であっても、画廊で発表する作品は、より志高く、人々を慰撫する力を持っていたり、突き抜け感があったり、すごく楽しかったり、また逆に醜さも含めて真実を見つめる視線を持ったものを、と望んでいる様に感じます。

宇野さんがスペースユイに横尾さんを紹介して下さり、それから横尾さんとの関わりが生まれました。デザインセンターからの出発点から現在に至るまでの道のりの中、異なる方向へ歩みながらもそれぞれの立場で、ずっと第一線でお仕事をなさっている宇野さんと横尾さん。今、ふたつの星が小さなギャラリーの中でひととき交差しております。皆様、どうぞお見逃しなき様、画廊にお出かけ下さい!

画家宣言をしておられ、今や日本中の美術館でご活躍で、今迄にない自由な感覚溢れる画家としての存在のあり方も斬新な横尾さんがこの様な小さなギャラリーのグループ展に出品して下さっている事に対し、心からありがたい事と思い、また敬意を評します。

宇野さんとお話しする様には作品についても話した事は、あまりありませんが、丁度1年前位に、お電話で私のかたくなさに、少し横尾さんをあきれさせてしまったのではないかと、感じられた事がありました。

宇野さんも横尾さんも天衣無縫のまま大人になりました。とてもチャーミングで、人々からの人気はロックスターの様に華やかなものがあります。

天衣無縫な天才は、正直ですから、自ずとこちらも正直にさせられてしまうのでしょうね。でもこちらは天才ではありませんから、作品に関しての見解などでは、とてもスリリングな興味深い関係である、と一方的に思っています。

横尾さんにとってスペースユイは、イラストレーションの画廊、と考えておられると思います。そして宇野さんは、親しみを込められ、揶揄する様にユイはイラストレーションを尊重していない、とおっしゃる。

ふたつの真逆な見解がすごく面白いな、と思うのです。

 

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