2016.11.26:土曜日
中島淳子 「匣・筥・箱・hako」

 

 

 

 

中島淳子さんの布を見る確かな視線が素晴らしいと思います。

着物や時代物の布についての素人である私たちは、専門的な眼差しで見ることができず、洋服や身の回りの現代の物を見る感覚で拝見してしまうのですが、中島さんのコレクションされる布は、そのような視線からも本当に魅力あふれるものばかりです。

中島さんの手によって箱の構造体が作られ、 収集された美しい日本の布を何種類も組み合わせながら箱の外側と内側をデザインされて行きます。

それは小さな建築物のようにも見えますし、テキスタイルデザイナーとプロダクトデザイナーのコラボレーションにも、ファブリックをグラフィックデザイン的にコラージュしたオブジェ作品とも感じられます。

歴史や物語を秘めた古い着物や布が醸成する雰囲気ある素材を用いて、優雅な抑制の効いた造形力により作成され、常に新たなチャレンジを感じる中島淳子さんの作品への興味は尽きません。

 

文章は苦手、とおっしゃる中島さんにお願いして下記の様にステキなコメントをお寄せ頂きました。

 

 

まず台紙を切ります。

台紙とは厚紙(いわゆるボール紙)のことです。

2mm程の厚みがあります。

小さな断裁機は持っていますが、ほとんどはカッターで原始的に切ります。

図画工作です。

イメージした形が出来るまで幾度となく推敲を重ねます。

一番大変な作業かもしれません。

 

 手に入れた古い着物を解きます。

全て手縫いですから比較的楽に解けますが、

一針一針縫った昔の人の事をふと思ったりします。

 

 日頃から気にいった着物(布)を無作為に集めておきます。

イメージが出来上がってから捜しても、見つかるものではありません。

偶然の出会いに身を任せます。

 

 手持ちの布の中から形に合うものを選んだり、

気に入った布を使いたくて新たに形を考えたりします。

布と箱が出会う時です。

 

 ではなぜ箱を作るのか?

明確な答えは出ません。

箱の中は「何も無い空間である」、故に「中心は無である」

というような事が気に入っているのかもしれません。

それに日常の中にごく普通にある容れ物として、

形はシンメトリーそのものですから

小さな佇まいの中に「安定」「安心」「平和」が感じられます。

 

 しかしながら安心している場合でもない様なので、

いずれアシメトリーな形に発展する予感もあります。

(中島淳子)

 

 

 

 

  

 

http://spaceyui.com/schedule/nakajhima-junko_16.html

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