Monthly Archives: 9月 2019
2019.09.17:火曜日

 

 
 
谷口シロウさんの絵、加藤マフミさんの文章による絵本、「まぼろし花」の原画展が開催されました。ドローイング、イラストレーション、と垣根のない感覚的表現が魅力的な谷口シロウさんの絵と、谷口さんの旧知の間柄のアートディレクター、加藤マフミさんとの息の合ったお仕事ぶりです。

楽しい絵本から伺えるお二人の優しいお人柄が登場人物の天使たちに重なります。お二人に今回の展示と絵本について文章をお寄せ頂きました。
 


アート絵本「まぼろし花」 出版記念展 (谷口シロウ)

今回の展示は思いがけない再会から始まりました。

以前お世話になっていたアートディレクターの加藤マフミ氏と

数十年ぶりに素敵なタックを組むことに…。

彼が温めていたストーリーに共感し、

今 自分が描きたいスタイルに近い絵にもぴったりだったので、

その大人のアート絵本を目指し、すぐに取り掛かり

推敲を重ね1年ほどかかり完成しました。

子供の絵本でも難しいところ、奇跡の足長おじさんのおかげで

超短期間で出版の運びとなりました。

これは2人の遺作になる強力、普遍的なバイブルです!?

世の中にもっとアートを!

気持ちの良いソファーのように包まれ

エネルギーの素となる綺麗なスイーツやシャンパンのように

少しリッチでキラキラと輝ける糧に

もっともっと大人が楽しめるアートが広がるといいですね。

出会いと発表の場に感謝しつつ

これから次のステージへ向かいます。

 
 
「まぼろし花」は咲いているか (加藤マフミ)

誰の心にも、まぼろし花は咲いています。

心は常に揺れ動き、毎日を生きています。

悩んだり、限りのない欲望を追い続けたり、万象を比較したり、

愛や憎悪や優しい気持ちや勇気などの感情が目まぐるしく渦を巻く。

人間ですから。

良い意味でも、悪い意味でも、

人間として生きていくしか僕たちにはない。

この物語はもう20年以上前に子供向け

というか未来の大人たちに向けて書きました。

そしてこの度、今の大人たちに向けて書き直した作品です。

そもそもこの物語は絵本として

書いたのだから大人向けになっても絵本にするべきと考えました。

絵は誰にお願いしようか?

優しくて、可愛くて、どこかシニカルで、シンプルなのに複雑で、

不思議な魅力のアート感を放つ。

そうだ、旧知の谷口シロウ氏を十数年ぶりに探し出して頼んでみよう。

アート絵本を作ろう。

日本ではそんな領域はない。

アートものの出版なんかよほどの理由がないと無理。

でも今伝えたい、地球のあちらこちらにまぼろし花が咲いていることを。

僕の心の中に聞こえてきた声に後押しされて頑張ってみようと思いました。

「いいことってさ、ひとつくらいはあるかもしれないよ」
 
 


 
 
http://spaceyui.com/schedule/taniguchi_shirou2019.html

2019.09.10:火曜日

 


 
 
岸田ますみ「9月の展覧会」が終了しました。

ずっと一貫して、開けた視界の海や平原等、同テーマを描き続けている岸田ますみさんの作品展には、ファンの方々も多く、定評があります。

青みがかったグレーの雲の覆う空模様、深く暗い海の色、ぽつんと建つ一軒の家や灯台等、モチーフもシンプルです。

全体的に画面から漂う気配は寂寥感に溢れています。その寂寥感のもうひとつ向こう側には一体どの様な風景が存在するのか、明るいご本人の印象からは結びつかない感覚に、イマジネーションが尽きません。

 
 

 
 

http://spaceyui.com/schedule/kishida_masumi2019.html

2019.09.10:火曜日

 

 

 

表現力の確かさや技術の面でも、追随を許さない深谷良一さんの作品展でした。

本年は飼っている猫の大作が主役に、DMにも登場して評判を呼びました。昨年展示した同じシリーズの大作の猫も一緒に迫力ある展示になりました。

また渾身の、花々や植物を描いた新たな作品も素晴らしい完成度で大好評でした。

一方で、ご自分で作られた木の箱に深谷さん独特の作品が描かれ、完成度の高さに皆さんが驚かされました。

来年の夏は、また違った新しい企画で、皆様に素敵な作品をお届けできる予定です。どうぞお楽しみに!

 

 

 

 

http://spaceyui.com/schedule/hukaya_ryouichi2019.html

2019.09.05:木曜日

 


今回の個展は、これ迄の水沢そらさん独特の表現形態であった紙を切り抜き着彩するというたいへん手間のかかる技法から、ダイレクトに筆のタッチで描くというシンプルな技法を初めて試みられた作品展でした。

水彩紙に顏彩絵の具が柔らかく滲む作品画面からは、水沢さんのメッセージが皆さんにきちんと届けられたと感じました。

水沢さんの文章をご紹介させて頂きます。

こんにちは。先日までYUIで個展を開催させて頂いた水沢そらと申します。早いもので、個展が終了してから2週間が経とうとしています。

今回の展示はYUIでは3回目、自分にとっては7回目(地方での巡回展や海外も含めると10回目)となる個展でした。

また今年はちょうど自分がイラストレーションを志してから10年目の年でもあります。

今だから言えるのですが、実はここ数年、僕は自分のイラストレーションに悩むことが多くなってきていました。

もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今まで僕は「切って、貼る」という切り絵の様な、貼り絵の様な技法をメインとして作品を制作してきました。

これは元々、イラストレーションを志した当初、まだお仕事もした事がない時に、絵の具を上手く使いこなせない時期があり、その時に半ばやけくそで紙を切って有りものの色紙の上に乗せてみたのがそもそもの始まりでした。

その技法を見つけた時はとても自由に感じ、その時に感じていた制作に対する閉塞感が一度に吹き飛んだのを今でも覚えています。

実際、そこからコンペなどにもひっかけて頂き、お仕事も少しずつですがだんだんとご依頼頂けるようになってきました。

ところが、そうしているうちにふと気がつくと、いつからかまたどことなく違和感を感じている自分がいることに気がつきました。

ここ数年の展示はその違和感を払拭するために、個展のテーマやコンセプトを考えてみたり、モチーフを意識してみたり、または画材を変えてみたりもしたのですが、残念ながらその違和感は一向に解消しません。

もちろんその展示、展示でベストを尽くしましたし、今でも後悔は全くないのですが、今から思うと「自分はこういう絵を描く作家なんだ、こういうスタイルでキャリアをスタートさせたのだからそれを守らなくてはいけない」

という自分ルールを勝手に決めて、勝手に縛られて勝手に苦しんでいたんだと思います。

今回、その全てをいったんフラットに戻し、全てのルールを捨て、自分なりに「自分のイラストレーション」を見つめ直したら、とっても気持ちの良い展示ができました。今までで一番気負わず、素直に準備ができた展示だったかもしれません。

もし、ご高覧頂いた皆様に楽しんで頂けたとしたら、僕も嬉しいです。

どうもありがとうございました。

水沢そら

 

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http://spaceyui.com/schedule/mizusawa_sora2019.html

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