2019.09.05:木曜日
水沢そら ひららかにおどる

 


今回の個展は、これ迄の水沢そらさん独特の表現形態であった紙を切り抜き着彩するというたいへん手間のかかる技法から、ダイレクトに筆のタッチで描くというシンプルな技法を初めて試みられた作品展でした。

水彩紙に顏彩絵の具が柔らかく滲む作品画面からは、水沢さんのメッセージが皆さんにきちんと届けられたと感じました。

水沢さんの文章をご紹介させて頂きます。

こんにちは。先日までYUIで個展を開催させて頂いた水沢そらと申します。早いもので、個展が終了してから2週間が経とうとしています。

今回の展示はYUIでは3回目、自分にとっては7回目(地方での巡回展や海外も含めると10回目)となる個展でした。

また今年はちょうど自分がイラストレーションを志してから10年目の年でもあります。

今だから言えるのですが、実はここ数年、僕は自分のイラストレーションに悩むことが多くなってきていました。

もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今まで僕は「切って、貼る」という切り絵の様な、貼り絵の様な技法をメインとして作品を制作してきました。

これは元々、イラストレーションを志した当初、まだお仕事もした事がない時に、絵の具を上手く使いこなせない時期があり、その時に半ばやけくそで紙を切って有りものの色紙の上に乗せてみたのがそもそもの始まりでした。

その技法を見つけた時はとても自由に感じ、その時に感じていた制作に対する閉塞感が一度に吹き飛んだのを今でも覚えています。

実際、そこからコンペなどにもひっかけて頂き、お仕事も少しずつですがだんだんとご依頼頂けるようになってきました。

ところが、そうしているうちにふと気がつくと、いつからかまたどことなく違和感を感じている自分がいることに気がつきました。

ここ数年の展示はその違和感を払拭するために、個展のテーマやコンセプトを考えてみたり、モチーフを意識してみたり、または画材を変えてみたりもしたのですが、残念ながらその違和感は一向に解消しません。

もちろんその展示、展示でベストを尽くしましたし、今でも後悔は全くないのですが、今から思うと「自分はこういう絵を描く作家なんだ、こういうスタイルでキャリアをスタートさせたのだからそれを守らなくてはいけない」

という自分ルールを勝手に決めて、勝手に縛られて勝手に苦しんでいたんだと思います。

今回、その全てをいったんフラットに戻し、全てのルールを捨て、自分なりに「自分のイラストレーション」を見つめ直したら、とっても気持ちの良い展示ができました。今までで一番気負わず、素直に準備ができた展示だったかもしれません。

もし、ご高覧頂いた皆様に楽しんで頂けたとしたら、僕も嬉しいです。

どうもありがとうございました。

水沢そら

 

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http://spaceyui.com/schedule/mizusawa_sora2019.html

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