Monthly Archives: 9月 2020
2020.09.22:火曜日

 

 

 

 
今年も、高田茂和さんの作品展が好評の内に終了しました。
今回、三度目となる個展は、やはり前回前々回と同じくB2サイズの大らかな平面作品でした。
作品モチーフとなる、海辺やなだらかな丘、青い空、空に浮かぶ雲、また森の樹木たちや草花たち。
B2サイズの平面の中に設定された大々とした空気感の広がる自然の舞台装置の中、そっと佇んでいる登場人物とで醸成する高田さんの独特の作品世界は、私たちを静かな柔らかな世界へと導くようです。
なだらかな水平線を望む海辺に立つ少年は、はるか空に掛かる入道雲を見上げます。黄昏から夜に入る時間帯の中、麦畑で優しくホタルを両手で包み込む少女や、森の中の不思議な佇まいの少女たちは今という生活の中の時間を静かに賢明に過ごしていると思えます。
一見、さり気ない日常を切り取ったかに見える画面からは、少女たちの普段の生活を淡々と描写しているかに感じられますが、来たるべき未来をどんな風に掴んで行くのかを案じる作者の視線も感じる、というのは考え過ぎしょうか。
高田茂和さんの、一枚々の作品から様々な気配が伝わる世界観が、皆様にきちんと伝わって楽しんで頂けたのではないかと感じます。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/takada_shigekazu2020.html

2020.09.12:土曜日

 

 

 

 
北沢夕芸さんの、エンターテイメント精神満載の楽しい展覧会が終了致しました。
北沢さんのアイデアと想像力によって構成された平面作品と、小さな立体作品で構成された展示空間に佇んで、ご覧になられた多くの皆様が楽しんで下さいました。
一枚一枚の平面作品が語りかけて来る謎めいた絵に、思わず周囲を見回して他の絵や立体作品を見て答えを求めてしまいます。
作品全体が連動し、関係性があるのではないか?また隣りの絵を見たらそこに答えがあるのではないかと期待しても、解答は得られません。作品の世界に、本のページをめくるような繋がりを感じても謎は深まるばかりなのです。
人々は、北沢さんの一枚の作品から、架空の物語のひとこまや自分の過去の出来事や思い出と重ね合わせて、様々な印象を持たれていると感じております。
作品自体から、余韻を持って頂く力があるという事なのだと思います。作品を観る人と作家のエネルギーが交感し合い、色々な名状し難い何ものかが生まれている事を感じます。
また、ナイフを駆使して彫られる立体作品のモデルたちは、実に楽し気に佇んでおりますが、北沢さんの制作上のご苦労は如何ばかりかと想像致します。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/kitazawa_2020.html

2020.09.04:金曜日

 

 

建石修志
 

 
久しぶりに開催の夏の企画展、実力派ばかりの見応えある展覧会だったと思います。
最高に暑い季節の中、そして新型コロナ問題というリスクも加わる時節の中、大勢の方々にご来廊いただき、たいへん感謝致しております。
「夏の匣」というタイトルで、河井いづみさん、建石修志さん、深谷良一さん、三人の作家に空の彼方に繋がるような壮大な感覚を表現して頂きました。
まるでルネッサンス期の巨匠のようにドラマティックな深みのあるペインティングが魅力的な建石修志さんの作品の完璧な作品画面の完成度は、人々の心に感動と衝撃を生じさせます。現代のマエストロというべき存在の建石さんですが、気さくなお人柄を知った方は作品との対比に魅力的な感覚を覚えずにはいられないでしょう。
 

 

深谷良一
 

 
かたや作品の中に通底して日本のテイストが流れる深谷良一さんの作品の独特な表現にも興味が尽きません。深谷さんの作品の日本画風のテイストは、さらに自由に羽ばたく翼を希求しているように思えます。また深谷さんのつくる木箱に多くの方々が心魅かれる引力は、インターナショナルに広がるべきものと思っています。
河井いづみさんは、若々しい感性を鋭敏に切り取ったエネルギーとオリジナリティー溢れる作風の作品を出品して下さいました。白く紙の色を生かしたモノクロームのリトグラフやオリジナル作品が、ベテランのお二人が描くペインティング作品の重量感に負けず、更には互い同士を引き立てあうかのように、対峙しておりました。
「夏の匣」での、身を削るような表現の作品から流れるエネルギーで、皆様のお力になれることができましたら、これ程嬉しいことはございません。
最初はBOX OPERAというタイトルから始まった当画廊のこの企画展は、出品メンバーの方もテーマも変えて時々開催しております。
その初回の展覧会、2006年の出品者の方は、北見隆さん、宇野亜喜良さんのお二人でした。三回目に参加下さった建石修志さんとは、その頃からだんだんにご縁が生まれて参りました。
2016年には、それこそ数えるのが大変なくらい大勢の方々に二つずつ小さな桐でできたハコを渡して好きなようにデザイン、ペインティングを施して頂くという楽しい展示も行いました。
平面作品でもなく、オブジェとも少し異なった、ハコという小宇宙に個々の思いを表現するという試みは、アッサンブラージュという名前で語られますが、カテゴライズされた括りを超えて自由な思いがけない何かが生まれる方向性を目指せるのでは、と感じております。
これからも、イレギュラーなかたちではありますが、続けて行けたら嬉しく思います。
 

 

河井いづみ
 

 
http://spaceyui.com/schedule/kawaiizumi_tateishishuji_fukayaryoichi.html

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