2020.10.16:金曜日
山崎杉夫 信濃八太郎「僕の町、僕の場所」

 

 
この度は、急なお願いにも関わらず完成度の高い山崎杉夫さん、信濃八太郎さんの二人展「僕の町、僕の場所」を開催する事ができ、快くお引き受け下さったお二人には本当に感謝致しております。
安西水丸さんの教え子だった山崎さんと信濃さんの展示は、現在のコロナ禍の中、海外に滞在のため個展開催が困難になった方の会期でした。
今回、とても水丸さんの存在が色濃く感じられ、懐かしい思いにかられた一週間でした。
山崎さんの大胆かつ繊細にデフォルメされた構図を透明感のある鮮やかな色彩で表現された作品と、対をなす信濃さんのしみじみとした感情を紡いだ暮らしの場である街や馴染みの空間の描写、そんなお二人の絶妙なコンビネーションが楽しく味わい深い展覧会でした。作品に添えられた万年筆で書かれた文章や文字からもお二人の個性が感じられ、お人柄が偲ばれました。
今回はお二人に、文章をお寄せ頂きましたのでご紹介させて頂きますね。
 

 

Sugio Yamazaki
 

 
「僕の町、僕の場所」というタイトルや絵と文を一緒に展示するというアイデアは信濃くんからの提案でした。いくつかアイデアを出し合ったもののこれが今の気分には一番しっくりくるなと感じ即決しました。遠出が難しい今、自分の町を見直すいい機会になりました。身近すぎて見落としていた景色を発見したり、忘れていた昔の出来事を思い出してみたりと何か絵日記でもつけるような感覚で描きました。
また、グループ展は個展とは違う難しさがあると常々思っているのですが、今回は違和感なく展示できました。 先に述べた展示テーマや文も書くこと以外、事前に特に細かい相談はしなかったのですけど、展示枚数や作品サイズもバランス良く会場に収まりました。これはやはり付き合いが長いせいかもしれませんね。伊達に20数年間、飲み続けてきたわけではないんだなと確信しました。
そして、数年前までそうした酒席の真ん中にはいつも恩師である安西水丸先生がいました。
先生ゆかりのギャラリーで展覧会ができることは僕たちにとっては特別なことでした。会期中にはオーナーの木村さんと先生の思い出話をしたり、信濃くんと共に、先生が馴染みだった寿司屋で〆張鶴を飲みました。最終日に大雨が降ってきたのも、雨男だった先生が労いに来てくれたものだと信じています 笑
生前、水丸先生は人とのご縁をとても大切にしていました。大きな会社の社長でも僕たちのような名も知れぬ雑草のような教え子に対しても常に丁寧に公平に、そして楽しそうに接していた姿が印象的でした。考えてみればこの二人展もいろいろなご縁が繋がって実現した訳ですが、元を辿ってみれば水丸先生に行きつくように思います。未だお世話になりっぱなしの信濃と山崎ですが、これからも人とのご縁を大切に、一枚一枚楽しんで絵を描いていこうとあらためて感じさせてもらった貴重な6日間になりました。 山崎杉夫
 

 
始まってしまえばあっという間でしたが、初めての場所で展示させていただくことで新たな出会いもあり、とても貴重な時間となりました。機会を与えてくださったスペースYUIの木村さん、高橋さん、そして連日秋雨のなかご来場くださったみなさまに改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。言いたいことはぜんぶ山崎さんが書いてくださっているので繰り返しませんが、僕らにとって月に一度安西先生とお会いする時間は、楽しみな一方、何より緊張する時間でもありました。話題豊富な先生の前に「手ぶら」で臨むことなどできませんので、そのために一ヶ月間、本を読んだり、映画を見たり、展覧会に出かけたり、新しい飲み屋やカレー屋を探したり(山崎さんなんて茶道まで始めたり!)して過ごす。そんな準備の時間が何年も続いたことが、僕たちふたりにとって今に生きる財産となっていることを、今回のテーマで描きながら改めて痛感した次第です。
そして山崎さんとお会いすると、あの頃の、馴れ合いを嫌う先生を前にしたときの二人の緊張感を、すぐ取り戻すことが出来、そういう意味でも自分にとって貴重な二人展となりました。山崎さんにも御礼申し上げます。
今回搬入時に、何もかかっていない白い壁を前にして、安西水丸先生と和田誠さんが毎度二人展のオープニングの際に「作品解説」と称して楽しそうに掛け合いをされていたことを思い出しました。そんな壁に自分たちの作品を展示できた喜びを胸に、また次に向かってまいりたいと思います。
信濃八太郎
 

 

Hattaro Shinano
 

 
http://spaceyui.com/schedule/yamazakishinano.html

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