Monthly Archives: 12月 2020
2020.12.22:火曜日

 

 

 

 
誰も真似のできない信耕ヒロ子さんの籐の作品には、遊び心いっぱいの楽しさが溢れます。
そして作品は、楽しさだけではなく、ダイナミックな迫力が人々を惹きつけます。
正確な描写力で籐という素材を編み、作品として作り上げて行きますが、小さな肖像のオブジェ等はモデルになったミュージシャンや政治家たちに実に良く似ていて驚かされるのです。
またご本人自身もユニークで個性豊かな信耕ヒロ子さんは、映画のヒロインにも抜擢され、その映画がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)のグランプリを取られました。
会場にはその映画と、信耕さんの作品がモチーフとなった演劇的な映像もギャラリー会場に流れておりました。
信耕さんが、籐というオリジナルな素材を駆使して制作されるオブジェは、小さな手のひらに乗る可愛らしい作品から、等身大の人間まで、本当に自由自在なのです。
信耕さんには、籐という、オリジナルな可能性に満ちた不思議な素材で、更に私たちを驚かせて頂きたいです!
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/shinkohiroko_2020.html

2020.12.21:月曜日

 

 

 

 
昨年の秋、当画廊では最初の個展でしたが、たいへん好評を博した荻原美里さんの個展が開催されました。
個展終了後も魅力的な作家による書籍の装幀等のオファー等が絶えず、その人気の程がしのばれました。
おしゃれな北方系の都会的エッセンスの気配をはらむ荻原さんの作品は、どこか寂しげなアンニュイな感覚が流れますが、人間の温もりが潜んでいて、作品に触れた人々の心に残ります。
多才な荻原さんは、文章も素敵です。下記にご紹介させて頂きます。
 

 
2020年12月12日 個展を終えて

朝、いつものようにブラインドを開けたらどんよりとした曇り空。じっと目を凝らしてみるとあいにくの雨。
 
もう一年。今年は特に早く感じた。自粛期間があったせいかもしれないし、歳のせいかもしれない。果たして人は来てくれるのだろうか・・・
 
たった一人でも観に来てくれるなら、その人がドアを開けて、私の作品たちを眺め、最後に背中を向けて帰る時、何か大切なものを思い出し、余韻がいつまでも続くそんな個展にしたいと思った。何度も何度も自分が観に行く立場になってイメージを重ねた。音、森の香り、偉人たちの言葉、そして一枚一枚の作品。
 
私の作品は水彩画なので、どこかサラっとしていて、色も寒色が多い。もしかしたら、普通だったら気づかずに通り過ぎてしまう作品たちなのかもしれないけど、透明なセロハンを重ねるように何層も色を重ね深みを出している。偶然の滲みや色の重ね、削り出し、白をかけて行く工程は人生を歩むのとよく似ているのかもしれない。今回の個展のDMに使用した「Day in the life」はこの世の中、大変な状況の中で、必死に個々の人生を戦い生きている人に、一度深呼吸をして叫びながら雪の中を心の中で走ってもらいたかった。何度も転びながら、冷たくて硬い大地を、先の見えない自分の人生に向かってただただ走ってもらいたかった。
 
最後に、お忙しいところ、足を運んで下さった皆様、会場を提供して下さったSPACE YUIの皆様、ありがとうございました。素晴らしい出会いと皆さまにお寄せいただいた声を励みに、これからもまた、お目にかかれる日を楽しみにコツコツと作品を制作していきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


 
簡単ではございますが、書中にてお礼申し上げます。
 
 
「涙が出そうになるくらいに、生きろ」
Live to the point of tears.
 
Albert Camus
                                         
                                           荻原美里
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/ogiwaramisato_2020.html

2020.12.15:火曜日

 

 

 

 

今年の松本圭以子さんの展覧会テーマは、昨年に引き続き「猫」がテーマの、「しっぽの続き」と題した作品展でした。
表情豊かな猫の肖像画が、ギャラリー空間に、壮観に展示されました。主人公である黒猫の日々の生活のひとこまひとこまが楽しく丁寧に描かれた作品は、猫好きにはもち論ですが、猫に興味のない方々にもたいへん興味を持たれました。
パステルを主体とした画材で時間を重ねてリサーチされた猫の姿態や顔の表情が表現された画面からは、プロフェッショナルなイラストレーターの重みが伝わって来るようです。
ずっと大人向けのイラストレーションの仕事が多かった松本圭以子さんですが、最近は、絵本や児童書の出版関係の方々から興味を持たれる事が多く、たいへん人気があります。
作家の野中柊さんとのお仕事での児童書、ルビねこシリーズ第二弾「ルビとしっぽの秘密」の原画も一部展示され、好評を博しました。
「猫」を通して皆様の心が温まって欲しいという作者の試みは、見事に伝わっていったのではないでしょうか。
確かなテクニックと観察能力とで、絶え間なくイラストレーターとして、活躍を続けておられる松本さんの今後が楽しみです。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/matsumotokeiko_2020.html

2020.12.08:火曜日

 

 

 

 
2018年の個展に引き続いて、今回も「髪」がテーマの作品が生まれました。
2018年は「舞毛」、今年2020年は「乱気流」というタイトルで個展が開催されました。
展覧会の開催前に、須川まきこ個展「乱気流」のDMを拝見した時、何やら今の時代を表すようなタイトルの音の響きと共に、豊かな長い髪をセクシーになびかせた女性の肖像の上にレイアウトされた高橋善丸さんデザインの文字も素晴らしく、今回展示作品の完成度の高さが想像されました。
搬入時に作品の開梱を終了した際には、意に違わず全ての作品がエンターテイメント精神いっぱいに、力強く表現されているのが見てとれました。
女性たちの長くヴォリュームのある髪が風にたなびき、アールヌーボー様式のような曲線を描く様子は、いつしかひじょうに個性的な須川さんの作品モチーフとして定着しており、これからも独自の表現として進化し続けて行かれるのでしょう。
毎回驚くほど多くの方々が訪れる人気者の須川まきこさんの個展は、コロナの状況も変わらず良くならない中での開催でしたが、皆さんの心の中のもやもやした感情をいっとき拭い去ってくれる力があったと思います。
須川さんの作品には、全てに渡り人を喜ばせよう、楽しんで頂こう、という精神が息づいていて、作品を拝見していると、とても楽しい気分にさせられます。
作品を見てその力を見る側が受け取って感じるということは、作者も見る側の人々からエネルギーを頂けるという感覚があります。
作家と作品と来廊される方々とのサーキュレーションが素敵ですと、ギャラリー空間もハッピーな感性に満たされます。そのような時が、ギャラリーの人間として、とても稀有な幸運な経験と思うのです。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/exhibition/sugawamakiko_2020.html

2020.12.02:水曜日

 

 

 

 
仁後真理子さんの、4月に予定していた展覧会でしたが、このコロナ禍で大幅に延期となり、ようやくこの11月に開催となりました。
7ヶ月間も日にちが開いてしまったため、作品の点数もたいへん多くなりました。予定が大きく変わってしまい、仁後さんには本当にお気の毒だったと思います。
そのような事情から、数々の作品の中には仁後さんの新たな試みも見られました。白無地の陶器に絵付けされたたいへん味わいのある独特な風合いを持った皿やカップが展示されました。
仁後さんは、陶芸の砥部焼で知られる愛媛県の砥部市へと出向かれて、白生地に、藍色の呉須と呼ばれる顔料で鮮やかなイラストレーションを描きました。
人々に愛でられるタッチの絵付けは、とても初心者のものとは思えない出来栄えでした。
これまでの仁後さんの真骨頂とされている可愛らしい動物たちだけがモチーフではなく、草花がモチーフである食器は、印象も新たに、誰の目にもその力が伝わったのではないでしょうか。
また、仁後さんの大胆且つシンプルでキュートな動物たちの絵は、常に絵本の編集者の方々の注目を集めていて、優れた絵本を多く出版されています。
年齢の低い幼児絵本を得意とされる仁後さんは、ご自身も純粋な子供の魂を抱かれていて、そんなスピリットを心から大切に、ご自身の胸に湛えられているのでしょう。
編集者の方々の手から、絵本という形で子供たちに手渡された仁後さんの作品の意図は、確実に沢山のピュアな心に届けられている、と感じております。
 

 

 

 
http://spaceyui.com/schedule/nigo2020.html

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