2022.09.21:水曜日
    北見隆版画 作品展 TRIAL PRINT

 
 

 
 
自然光がいっぱい入るYUIでの展示では、いつも作品が重くならない様に注意しています。また老人界に本格デビューした自分の体力も考えて、今回は軽快な感じの版画展を計画したのですが、性格上集中すると、ついつい作り込んでしまい、重ったるい作品になってしまいます。そんなバランスをあっちこっちとりながら生まれたのが、今回の作品たちです。
また会場に不在がちで、お会い出来なかった方々が大勢いらっしゃることが悔やまれます。これも「老人じゃあ仕方が無いな」とお許し下さい。深く感謝申し上げます。(北見隆氏より)
 
 
科学の研究室の様だったり、立派な書籍に囲まれた重厚な学者の書斎風?はたまた錬金術師の一室か・・・。北見隆さんのアトリエは、きっとそんな不思議な空気感に溢れているのでは、と想像致します。
そして部屋には、銅版画の腐食液や、古文書の懐かしい黴臭い匂いも・・・・。
と、書いて参りましたが、今回の北見隆さんの作品は銅版画の様に思える作品が多いのですが、実は塩化ビニール等の樹脂板を使ったドライポイント版画で、銅版画に比べ制作に費やす労力を節約できるそうなのです。
そのように説明されますと、その独特の風合いからは従来のエッチング等と異なり独特な新たな表情を感じ取る事ができ、そういう事だったのか!と、しばし納得いたしました。
「銅版画の腐食液の匂い」は、ただの想像に過ぎませんでした!
北見さんの作品には、絵の具以外に画面を構成する古紙や金属や石ころや植物、時には流木等、数々のマテリアルが必要です。整理に必要な抽出しも不思議なアトリエにきっと素敵に存在する事でしょう。
北見さんがずっと培われて来た作品様式の画面に、それらの素材たちがそっと参加して個々の作品を完成させるかの様です。
北見隆さんの作品は完成度高く、全てに渡りサービス精神に満ちていて感動的でした。人々を楽しませたりする事って本当に大事な事に思います。
また、楽しさや面白さといった世界観と共にシリアスな美しさをも包含した視野へと繋がる作品も多く、その尊さに頭の下がる思いが致しました。
制約のない表現の中でも、そういった領域まで共有の感覚をもたらしてくれる作品は、そうはないのでは、と思うのです。
ずっと第一線を走り続けておられる北見隆さんの個展を振り返って見て、あらためて感謝を申し上げたいと思います。(スペースユイ 木村)
 
 

 
 
http://spaceyui.com/schedule/kitami_takashi2022.html

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