2018.07.02:月曜日

 

 

 

 

 河村要助さんと安西水丸さんの作品の発表が続きます。

 お二人が、お元気にその才能と個性を大きく花開かせて、活躍をされていた頃のお話ですが、画廊に水丸さんがひらっと一枚の紙を持って来て下さいました。

 河村要助さんが雑誌か何かの印刷物に掲載された短い文章を水丸さんがコピーされたものでした。それは商業美術としてのイラストレーションと、純粋な美術作品とを対比して書かれたもので、その秀逸な表現力に感嘆されお持ち下さったものでした。

 この事を思い出したのは、今回の河村さんの作品展を強くサポートして下さっている方々のお一人である藤田正さんが、今回の展覧会「JOYFUL TOKYO for 2020 vol.2」の作品の中に書かれている河村さんの英文が如何にエスプリの利いたインテリジェンス溢れる内容であるかを説明下さった時の事でした。

 水丸さんが持って来て下さった、その小さな紙切れをひどく大事なものに感じ、当時の自分のデスク脇の壁にずっとピンで貼って、いつも眺めていた様な気が致します。様々なヴィジュアル表現の形態とその差異と意義等に関しては、それこそ多くの優れた作家の方々が述べておられますが、河村さんの文章はそのコメントそのものがシンプルで小粋な完成された作品の様に素敵だったのです。

 それなのに、どこかにしまい込んでしまったのでしょうか、そのコピーがどこかに行ってしまい見つかりません。藤田さんには、それは見つけなければいけません!と叱られましたが本当にその通りです。

 ひょろっと背が高く、飄々とした河村さんの独特な心地よい距離感ある佇まいを思い出します。ちょっぴりアイロニカル&シャイで、孤独で人なつこい、もしかしたら東京よりニューヨークとか海外の都市の方が似合ったかも知れない、格好良い河村さんの存在の大切さを今更ながらに感じております。

 水丸さんも、ご病気療養中の河村要助さんのことをずっと心にかけておられましたが、水丸さんご本人が、周囲の方々を置き去りにして2014年に早世されてしまいました。

 お二人の仕事の数々、画廊での個展の様子、またいっしょにご参加頂いた何度かの企画展での親密感ある様子等が懐かしく思い出されます。そして今、そんなお二人の作品を発表できる立場に居る幸運な感覚と共に、当然の事ながら新作が発表できないという無念な気持とが相俟った、複雑な感慨を覚えております。

 また、水丸さんが持って来て下さった河村さんの素敵なコメント、見つかったら必ず皆さんにお見せしたいと思います。

 昨年から始まった展覧会「JOYFUL TOKYO for 2020」は、河村氏が海外の人々から見た日本の風習をポップに描いたペインティング作品のシリーズですが、今回の「JOYFUL TOKYO 2020 vol.2」では、JUN OSON、竹井千佳、水沢そら本秀康、山崎若菜(敬称略)5名の、イラストレーターとして河村要助氏の後輩にあたる方々にもご参加をお願いし、同テーマを現代の切り口から表現して頂きました。

http://spaceyui.com/schedule/yosuke_kawamura_18.html

 

 

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2018.06.19:火曜日

 

 

 

 

アートディレクション、イラストレーション、と商業美術の世界で長く活躍していらした入谷桂子さんの、布で作られた立体作品の二度目の個展が開催されました。

二度の個展の前には、イラストレーターのはんまけいこさんの作品を立体化する作品をメインとした作品展示の二人展を開催されて、その正確な作品の個性の捉え方にたいへん感銘を受けました。

また、良く見るTVコマーシャルのキャラクターが、画像を見せて頂き、入谷さんの手によって丁寧に制作されたものだと知り、こんなお仕事もしていらしたんだ!と驚かされました。

入谷さんは、布や糸を用いて、人形や動物たちの楽しい世界観を端正な感性で作り上げます。

作品や作品を取り巻く小物や背景にも隅々まで気を配られた、ディテイルの丁寧なお仕事ぶりも魅力です。

今後の展開として、新しい世界の作品に挑戦されるかも知れない計画を伺いましたが、 愛情溢れる眼差しと確かな技術力を持って、大きな可能性を秘める入谷さんにしかできない作品を見せて頂きたいな、と今からワクワク期待してしまいます。

長い間 グラフィックの仕事に関わり その中で立体制作などもありましたが ここ数年前から立体制作をライフワークとして始めました

絵本の大好きな小さな子の寝ている間にちょこちょこっと作って その子が目覚めてそれを見た時の嬉しそうな顔  今もよく覚えています

手に取った方が笑顔になるようなそんな作品を作りたいと思っています

作る事が大好き いつも手を動かしていたい 

五感で感じる色々なことに ワクワクしていたいと思います 

これからもずっと・・・

ユイでの個展は まだ2度目  

ギャラリーの方や友人、家族の支え そして産んでくれた両親に感謝しています

これからも 好奇心のアンテナを張り巡らせ さらにスキルアップして行きたいと思います

今回の個展 でも  沢山の笑顔を拝見する事ができました 

皆さま  ありがとうございました

(入谷桂子)

http://spaceyui.com/schedule/keiko_iritani_18.html

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2018.06.18:月曜日

 

 

 

従来のオンラインショップとは異なる切り口で新しいオンラインショップvol.2を開設致しました。vol.1は作品のアーカイブ的なかたち、vol.2の方は新しいプリント作品やオリジナルグッズなどを掲載させて頂きたく思っております。どうぞよろしくお願い致します。

 

 

https://spaceyui.stores.jp/

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2018.06.16:土曜日

 

 

 

 

はんまさんご自身からも、はんまさんの作品からも、海のかおり、南国の空気のたゆたいが漂っているように感じます。

自然の中で暮らしながらも、都会の人々との仕事や友情の繋がりが常にある、という理想的な生活は、憧れてはいても実現させる事はむずかしい事でしょう。

理想を現実化させている変わる事のない、大らかなはんまさんの元には、展覧会を開催する毎に、本当に多くの方々がお出かけ下さいます。

沖縄の小浜島でカフェを営み、可愛い山羊の世話を続けながら新しい作品のキャラクターを創り続けているはんまけいこさんの生活は、大地に足がしっかりと着いた素晴らしい暮らしぶりと思います。

たっぷりと太陽の養分や海の風を吸収し、でき上がって来る作品は、はんまさんの想像力といっしょに、都会のギャラリーの中で生き生きと息づきながら、皆さんとコミュニケーションしていると感じております。

また、はんまさんの軽やかな作品のプロフェッショナルな完成度には、多くの感嘆の声が聞こえて参ります。

はんまさんからも、文章をお寄せいただきましたのでご紹介させて頂きます。

スペースユイで個展をさせて頂くようになってから早くも18年になりました。

沖縄の最南の離島(小浜島こはまじま)に移住して36年

東京で生まれ育った私にとって、大きな澄んだ空とコバルトグリーンの珊瑚礁の海に囲まれたこの島は楽園でした。

6年前からは山羊を養っています。

沖縄では山羊は食用、ヒージャー汁は沖縄のソウルフード。

しかし私は山羊を食用にされないように保護しつつ、近年は山羊を題材に絵を描いています。

山羊の絵を描く時は心から愛おしくて たくさんの悲しみと物語、そして喜びが湧き上がります。

絵を描く素材を惜しみなく与えてくれる小浜島の自然の神様に心から感謝しています。

(はんまけいこ)

http://spaceyui.com/schedule/keiko_hannma_18.html

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2018.06.05:火曜日

 

 

 

「OLD SAILOR TOLD ME」

陸に上がって随分経つが私は大西洋定期航路の船員だった。今もあの夜のことは昨夜のことのように思い出す。気が付くと海図にない海を船はさまよっていた。すべての客室は寝静まっており20ノットで走っているのに波の音すら聞こえない。海の中から私の名前を囁く声が聞こえる、空と海の区別がつかない漆黒の中に私の名前だけがうっすらと光って漂っている。ブリッジから手を出すと誰かが優しく握ってくれる。触れている場所から徐々に溶けていく。いつしか私も客船も海と空に溶け出していた。暗黒の空、漆黒の海、純黒の私・・・光を求めて深く深く潜っていく。空と海と私が混じり合いそれぞれがそれぞれを忘れては再構成される。私の頬をつたった雨水が甲板に落ちるまでの永遠。(北沢夕芸)

北沢夕芸さんの今回の展覧会イメージ、雰囲気を書いて頂きました。

北沢さんの作品世界そのものを物語っていると思います。

イマジネーション豊かなファンタジーと文学の波間を漂いながら北沢さんのイラストレーションの世界へと連れて行かれます。

北沢さんの手腕で、ロマンティックでひりひりとした捕えても捕え難い世界を、これからもずっと指し示して頂きたいです!

http://spaceyui.com/schedule/yuki_kitazawa_18.html

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2018.06.05:火曜日

 

 

 

 

今年も、甲斐荘暁子さんは鉄で創るオブジェと平面のペインティング作品の両方の作品を制作し、発表致しました。

鉄の作品は、オブジェだけではなく、重量感のある大きな鉄の平面へのペインティングに挑戦、新しい色彩の世界とプレゼンテーションの形態を表しました。他の、明るい色彩鮮やかなペインティングの作品とは対照的に、深いブルーの生地に光沢あるコーティングがなされた作品がダイナミックに展示されました。

甲斐荘さんの作品の特徴である、夢のような楽園のような色彩と鳥や植物や妖精等のモチーフに彩られた画面からは、瑞々しく楽しい、肯定的な気分が音楽の様に流れます。具象と抽象が絶妙に混ざり合い、二次元と三次元が連なり織り成す作品世界は、独特な味わいを醸成する甲斐荘さん独自のものと思います。

また、鉄のキャンドルスタンドには、クラシックな世界とモダンな今の感覚が融合したとても魅力ある造形のパワーを感じました。

今年はアートディレクターの沢田節子さんのご協力で、Tシャツや紙製のグッズ類もたいへん充実して、楽しい賑わいを添えて下さいました。

http://spaceyui.com/schedule/akiko-kainosho_18.html

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2018.05.15:火曜日

 

 

 

 

越智香住 個展「ひそやかな女神たち」、今年は五度目の開催でした。

越智さんの作品には、様々なファクターがちりばめらていて、それがひとつ々に表され、またぎゅっと凝縮されたりと、見応えがたっぷりです。

小さな子供の像などの目線は、人間の悪意や雑念を追い払うかの強さがあり、引き付けられます。また、猫や犬、鳥などの塑像は、生き物への敬意と共に優しい眼差しが人々の共感を呼び、グッズの小さな猫のチャームやペンダントは親密感溢れる感覚です。

周辺の騒がしさや通俗を払いのけるような威厳ある気配と両存するキュートな感性が越智さんの作品の魅力なのだな、とつくづく感じました。

そんな越智さんの作品の力に触れて、多くの方々が画廊を訪れ、そして作品をご購入されました。都会を離れ、山あいに生活の拠点を置かれている越智さんですが、ご主人のSNSで拝見しますととてもおしゃれな感覚で生活なさっておられ、美味しそうなレイアウトも美しいお料理にいつも驚かされております。

大活躍中の女優さん、石田ゆり子さんにも、たいへん丁寧に越智さんの作品をご覧頂きました。石田さんのインスタグラム(大人気!)に、越智さんの作品が登場されることもあるのではないでしょうか?今から楽しみにしております!

http://spaceyui.com/schedule/kasumi_ochi_18.html

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2018.05.02:水曜日

 

 

今年の民野さんの作品を見た時すぐに、風景の広がりを感じました。夕暮れ時のハイウェイに灯る光が懐かしさを呼び起こします。

大自然の中、2020年に竣工の公の建物内に展示する大きな作品の計画を依頼されていて、何枚かを民野さんにお願いしておりますが、今回の小さな作品にもそんなイメージが彷佛とする広がりを感じたのでした。

恵まれた自然環境に住む民野さん、最近、自動車免許を取得なさったそうです。次回の個展では、北海道の雄大な自然が作品の中に多く登場しそうです!

静謐で端正な空気感の漂う民野さんの作品は、毎年新しいお客様が増え、ご本人の人柄と相俟って増々人気です。

また、果物や文具、飲物やふと目に留まる何気ない物を描いても、民野さんの作品は優し気にさり気なく人々の心に強く印象を残す様です。

http://spaceyui.com/schedule/tamino_hiroyuki_18.html

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2018.04.20:金曜日

 

 

 

 

杉田比呂美さんの展覧会を久しぶりに開催させて頂きました。

わたしは杉田さんが夕焼けの景色を描いた作品や、空や空気が不思議な色をした作品がとても印象的で大好きです。景色の色の不思議感覚と共に、何かSF的な時空のずれ感を楽しませて頂いております。

杉田さんの作品は、そこに描かれる人々も風景も、本当にさり気ない日常のひとこまなのですが、どこか微妙に心が揺すぶられます。

人々の普段の営みが、それぞれの作品画面から生き々と伝わって参りますが、希望や楽しさといった感覚といっしょに、微少な諦観や哀しみといった感情が多分それと意識されない程に絶妙な隠し味的な塩梅で配分されているのではないかと思うのです。

抑制の利いた詩情が作品を見る方々の共感を呼ぶのでは、と感じます。

杉田さんは絵本作家でもあり、文章もたいへん素晴らしくて、今回の作品に添えられた物語にも見入ってしまいました。

この感覚、誰かに似ている?と考えたら、水丸さんでした!

そんな杉田さんから、素敵な文章が寄せられましたので、ご紹介させて頂きます。

久しぶりに個展をさせていただきました。

今回は7年間続いた『小説すばる』の表紙の表紙の中から

選んだ53点の絵です。

どれも日々の暮らしの中で起こる、嬉しいこと、

はっとすること、など、『日常のキラリ』とした

瞬間を切り取った絵です。

連載時に書いた表紙の小さな物語も、

同時に展示しました。

見られる方の年齢を問わず、「懐かしい!」

という言葉をいただいて、

とても嬉しく思いました。

これからも、単調と思われる日々の暮らしの中、

はっとする瞬間を大切にしていきたいと思います。       (杉田比呂美)

http://spaceyui.com/schedule/sugita_hiromi_18.html

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2018.04.11:水曜日

 

 

 

星野哲朗さんの作品、今年も大人気でした。ヨーロッパ、特にフランスのプロヴァンス地方を折に触れ訪れていた星野さんは、ワインや作品のモチーフとなるフード類、また建築物や街並を好まれて描かれます。

重厚なペインティング作品ですが、どこかでシェープされた感覚、グラフィカルなテイストに還元された画面は親しみ深く、好感を持って見る方々に受け止めて頂いていると感じております。

星野さんにしか描けない作品の個性は、長年のペインティングのタッチから生まれたオリジナルな画風といえるでしょう。

フランスパンやオリーブの実、カクテルグラス等、人々が共感を持ちながらも、美しく遠くに在るといった風な感慨は、たいへん素晴らしい結実なのではないかと思います。

http://spaceyui.com/schedule/teturou_hoshino_18.html

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