既成のセオリーや理論的な概念などといったものから軽~く解放された、小渕ももさんの作品は、だからこその驚きもあって、自由な画面が心地よいのではと思います。
小渕ももさんの天衣無縫の大胆さが損なわれることのない様、ずっと独特に柔らかな色彩をキャンバスに描き続けられる事を思っております。
小池アミイゴさんが、小渕ももさんの展示にいらしてfbに素敵なメッセージを残して下さいました。
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そして青山のyuiへ、小渕ももさんの描いたゴルティエのトルソに会いに。
絵を描く楽しさだけで描いたっていうモードの世界は、マッツの世界と通底する孤独であることの喜びに彩られ、おおらかで、可愛らしくて、ああ、この感じ手放してはならないなと思ったよ。(小池アミイゴ)
http://spaceyui.com/schedule/momo_obuchi_17.html
AAAAA
その空間に立った時・・・・、
涼しげな香りや、静かな川の流れの音のような爽やかさに包まれます。
この世界はどうなってしまうのだろう、と情報の洪水に押しつぶされそうな時に、柔らかく心をリセットに導いてくれるかのようです。
立川一美さんの作品は刺繍によって表されますが、白く清潔な布などをキャンバスにして描かれた花々や鳥たちは、糸や布の狭間から優しげに、時には強く残る優しさで囁きかけます。
立川さんからの文章です。
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いつの間にか、6度目のユイでの個展になりました。
一針ひと針の作業なので、なかなか多くの作品を作る事はできませんが、様々な布や糸との出会いを大切に、それらの組み合わせのおもしろさを、これからも追求していきたいです。(立川一美)
http://spaceyui.com/schedule/kazumi_tachikawa_17.html
AAAAA
その作品と共に、周辺にハッピーなオーラを振りまく須川まきこさんがギャラリーを最初に訪れ、個展を開催してから早十年も経ってしまいました。
その頃と全く変わらず、奇跡の様に永遠の少女のままのまきこさんです!
作品に繰り返し描かれる美しい模様のレース、そしてそんなレースを身にまとう無邪気な女の子たちの肢体は、健康的かつドライなエロスといったら良いのでしょうか。その独特な魅力は、須川まきこさんだけの表現と思います。
また作品を描く時に、息を止めるような緊張を伴うのではと容易に想像できるロットリングで描く手法と、そんな画法と対極的に柔らかな女の子やレースの描写、という揺れ幅も、須川さんの実力と人を魅きつける力量を彷彿とさせます。
須川まきこさんは、たいへんな経験を乗り越えられた経緯を糧に、無意識のうちにご自身を大きく育まれ、大らかに柔らかに人々を包み込む力を得たのかも知れません。
まきこさん、そしてまきこさんと共に同時代を歩む、作品の内外に住む少女たちの未来に、ひかりある事を想像致します。
須川まきこさんの文章を以下にご紹介させていただきます。
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今回は華やかなデコスタイルに身を包んだ女性や、
パラレルワールドを愉しむ女性達も描きました。
個展タイトル「義体」をイメージしたオブジェも含め、
一体化した心地よい空間になり、
お客様にゆっくり見て頂けて嬉しかったです。
個展を開催する季節によって、
テラスにある樹木、ジューンベリーの表情が楽しめるのも
私にとって大きな楽しみの一つです。
紅葉した葉を眺めながら、植物柄のドレスをもっと描いてみたくなりました。
お越し頂き、本当にありがとうございました。(須川まきこ)
http://spaceyui.com/schedule/makiko_sugawa_17.html
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2017年11月、皆様と共に待望していた、ささめやゆきさんの展覧会を開催致しました。
以前から興味深い計画を立てておりましたが、ずい分時間を経過してしまい、急きょ新たな内容の展覧会を開催して頂くこととなりました。
「をどるリノカット」というタイトルが示すように、小さな作品画面の中に物語がぎゅっと贅沢に込められて、それこそ観る者の心踊るものでした。
これ迄の人生の中、ささめやさんの経験された事やイマジネーションから紡がれたひとつ々の場面を、大勢のファンの方々と共に、また作品に添えられた小さな珠玉のメッセージと共に、たっぷりと堪能させて頂く事ができました。
また、ささめやさんに今回の展覧会につきましてのコメントをお寄せ頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
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今回スペースユイでひらいてもらった展覧会のタイトルは「をどるリノカット」としました。はたして躍動していたでしょうか。
リノカットとはいわゆる小学生時代に年賀状などに刷ったゴム版画のことです。近年あまり使われていない画材ですが、マチスやピカソがこの方法でのびやかな作品をつくっています。
同じ版画でも銅版画は薄暗い部屋の裸電球のもとで刷るのが似合ってますが、リノカットは朝の陽光あふれる中でつくるのがいいです。
たくさんの方に見て頂いて幸せでした。
(ささめやゆき)
空間デザインの仕事をしていらした小山春子さん。今回は刺繍という技法での表現を試みました。ご主人が真言宗の僧侶でいらっしゃるという環境の中で培われた創造のエネルギーはたいへん興味深いものがありました。
一見した作品画面からは、優しくポップな現代的な感覚が伝わりますが、よくよく拝見しますと、小山さんの日常の生活の中から生まれたオリジナリティ溢れる世界観が迫ります。
死生観のようなものも含まれた宗教感覚とクリエイティブな感受性・・・。
得難い環境から掬い取られ、小山さんのセンサーから生まれた作品は、最初の個展にも関わらず、多くの方々に共感をもって受け止められました。
小山さんの糸での表現、次回を楽しみにしている方が大勢おられます!
小山さんのご挨拶の文章を下記にご紹介させて頂きますので、ぜひご覧ください。
↓
この度は初めての作品展にもかかわらず、たくさんの方々にご来場頂き、誠にありがとうございました。
お寺での生活で生まれたイメージや好みのモチーフなどを、好き勝手にミックスして刺繍作品を制作してきましたが、ご覧くださった方々に少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
また、『刺繍』というには少しイメージの違う作品も多かったかもしれません。ベースの布、糸、ビーズ、スパングル、チュールなど、それぞれの質感を共鳴させていく過程がとても興味深く、色々と使ってみました。
今後も「一粒」「一本」「ひと針」の素材感を大切にして、進めていきたいと思っています。
柔らかく、繊細で、可愛くもたくましい・・・そんな表現を目指して。
どうぞ今後ともよろしくお願い致します。
(小山春子)
毎年その人気には驚かされますが、沢野弓子さんの個展は、今年も悪天候にも負けずに大人気を博しました。
2017年の個展テーマは「シェヘラザード」、王妃シェヘラザードが夜な夜な王に魅惑的な話を語るという、アラビアンナイトの魅力的な物語をテーマに、エキゾチックなアラベスクな世界を大人っぽく表現されました。
ご本人が自ら様々な国々に実際に出かけて入手した布やレース、ビーズなどでコラージュされた装飾的な作品は、100年200年も前の時代のものもあって、時空間を超えた趣があります。
作品のタイトルも、サマルカンド、東西交路、夜会、宮殿の庭、キルギスへの道、等々とオリエンタルな雰囲気に満ちた心踊るものでした。
現在沢野さんはインドをご旅行中です。
次回は、どんなテーマが展開されるのでしょうか?
AAAAA
河井いづみ 個展「空気」では、鉛筆画とリトグラフが展示されました。
いずれの作品もモノクロームが主体で、マットなテクスチュアが視覚的に訴えかける河井さん独特な黒色が魅力的でした。
また、幾何学的なモチーフの数々は多様な時空間を想起させられ、作品に向かう人々の想像力を刺激するかに思えます。
今回は「空気」という興味深いタイトルでの展覧会でしたが、その辺のところを、河井さんご本人が素敵に説明下さいましたのでご紹介させて頂きます。
↓
私が中学生のときに、デッサンを見てもらった先生に
「ここの空間の空気を描けるといいね。」と言われたことが、妙にピンと来て。
「空気を描け」は絵を描く際に一般的によく使われる言葉なのですが、
子供の私は「見えないものを描いて伝える」のが絵なんだ!とすごく納得したのです。
描いた空気を伝えられたかは分かりませんが、
多くの方に見ていただき、感謝で夢のような一週間でした。
ありがとうございました。
(河井いづみ)
木村かほる個展 2017が終了しました。今回は、ずっと続けているペインティングの他に急遽出版することになった本のスケッチなども展示しました。
木村かほるはわたしの妹ですが、今回は妹自身に作品などについて書いてもらいました。
↓
児童書やイラストレーションの世界から離れ、糸が切れた様に何も考えないで描いてきてしばらくたちました。
自分としては、見て下さる方々と少しでも感覚を共有できたら・・・、という思いで描いておりましたが、ふと振り返ると、あまりにも独りよがりではなかったか?という疑問が湧き上がり愕然としてしまいました。
今回は、何かを掴まなければ・・・という手探りの過程の個展になりました。
この様な状態で見て頂くのは本当に申し訳ないけれど、発表する事は恥をかくのを覚悟しなければならない等、個展をする度にいろいろ感じます。
個展と同時に不思議な本、「ジャック日記」ができました。90才をこえた頃からどんどんキャラクター化していった母を描き残したくなりました。
落がきをスペースユイスタッフの高橋知江さんに見せたところ、大変気に入って頂き、おかげであれよあれよという間にイタズラがきが本になってしまうというスリリングな経験をしました。
私の落がきを姉や高橋さんが妙に気に入ってくれることがあって、伝言メモに描いた絵がそのまま実際の本の中にも所々に登場していて、気がつくと表紙の絵もメモの中の一枚でした!
高橋さん、絵や文章以外に編集の才能も大変なものでした!(木村かほる)
自由な明朗な感性が持ち味のあべよしこさんの、色と形のコラージュが素敵に楽しい作品展でした。
誰にも真似できない、あべよしこさんの超感覚的な色彩と気配は、センス良く身近な物や景色を通して表現されているようです。
そんな現代感覚いっぱいのあべさんの作品には、ノスタルジックな想いを想起させるものも隠されて、優しさのパワーが画面から伝わります。
また、今回のあべよしこさんの展示を以て、YUI GARDENでの展示全体が終了となります。天井高のあるYUI GARDENの空間で映えるあべさんの大きな作品が見応えです。
これまでに、都心からはちょっと離れて、決して行きやすいとは言えないギャラリーに足をお運びいただいた皆様、本当にありがとうございました。
森の中のギャラリーのような、不思議なワクワク感のある環境の中、建築家の男性陣がお店番をして下さって、独特の面白い雰囲気だったのではないかと思っております。
建築の仕事とは異なる作品搬出入作業や接客など、初めての仕事でたいへんな事も多々あった事と思いますが、建築のお仕事と同じ様に、ギャラリーでの展示の作品も大切に扱って下さいました。
およそ3年半に渡る期間、自然の中、緑の樹々に囲まれた美しいギャラリーでの展示ができました事をオーナーの横河健さんをはじめ、YUI GARDENのスタッフの方々に深謝申し上げます。
ありがとうございました!!
AAAAA
獲得したあらゆる技法を駆使し、卯月俊光さんは驚かされる程に完成された作品を創り上げられます。
伝統的な工芸カテゴリーの落ち着いた美しさと共に、新しい幾何学的なフレッシュなデザイン感覚がとても自然に融合して、誰にも真似の出来ない卯月さんだけの世界観を創出されております。
空中にはWi-Fiの電波が飛び交い、美しい月や山々、樹木の香りにさえも気付かぬ日々を送る我々に取って、卯月さんのゆったりとした心模様は、 作品の優雅さを伴いながら、個々の心情へと流れ込む様に感じられます。
マイペースで、ゆったりとした卯月さんご本人のバックボーンには、 創造の源なのでしょうか、大らかな存在感を感じます。
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