川上和生 個展「グスベリの街」

20年ぶりとなる川上和生さんの個展「グスベリの街」、静謐な存在感にあふれる作品展でした。川上さんの生まれた北海道の雪原の風景は、広大な空気感や清々しさといった思いを呼び起こされ、圧倒される思いです。
川上さんは、ギャラリーの発足と時期を違わずしてデビューされましたが、既にその頃から何故かノスタルジックな感慨を誘う作風が今でも忘れられません。
川上さんのインタビューの中で、大切にしているものは「なつかしさ」とおっしゃっている様に、時間や空間を超えて心に響く何ものかを、作品を通し表して下さっていると思います。

川上和生 Kazuo Kawakami

1959年北海道十勝生まれ。
デザイン事務所勤務を経てイラストレーターに。

主な仕事
JAL機内誌スカイワード、[つばさよつばさ]浅田次郎エッセイの挿絵を2002年から22年間毎月描き続けている。
朝日新聞連載小説[ひこばえ]重松清 2018~2019年挿絵。
その他、書籍の表紙、教科書挿絵、絵本など。
絵本[ながいながい骨の旅](文・松田素子)で2019年度児童福祉文化賞受賞。
東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)会員。
来世は木として生まれたいほど木を愛する。

Q. 作品を通して、人々にどの様なメッセージを伝えたいですか?
A.
メッセージは特にありません。生きて感じるままこの世に生まれた人生を
表現していきたいと思っています。

Q. 好きな画家、イラストレーターは誰ですか?良ければその理由も。
A.
ニコピロスマニ、ジョセフコーネル、アンドレブルトン、マックスエルンスト、茂田井武、
東山魁夷リトグラフ、etc.
写真家ですが掛川源一郎、本橋成一、勇崎哲史、ソールライターetc.
あらゆるアーティストに影響を受けてます。

Q. 好きな音楽、ミュージシャンなどについてお話し下さい。良ければその理由も。
A.
音楽は僕にとってとても重要です。僕のデビューのきっかけは音楽家のあがた森魚さんでした。

アコースティック系を中心に聞いております。
レナードコーエン、ニックドレイク、バシティバーニアン、フィービーブリジャーズ、
ライクーダ、スザンヌベガ、バンダイクパークス、ジョンサイモン、プロコルハルム、
ジムクローチ、ジャクソンブラウン、ジェイムステーラー、ブルースコバーン、ニールヤング、
ボブディラン、アローガスリー、ルイスヒューレー、ドウルッティーコラム、ジェシコリンヤング、
フレットニール、ドノバン、バーズ、ザバンド、ロバートジョンソン、etc. (思いつくまま、キリがありません。)
日本のアーティストは
あがた森魚、細野晴臣、高田渡、有山じゅんじ、遠藤賢司、原マスミ、早川義夫、ムーンライダース、
西岡恭蔵、友部正人、etc.
最近のアーティストは、おおはた雄一、くるり、サニーデイサービス、ハンバートハンバート、キセル、etc.
(シンガーソングライター系が好きです。)

少々古いですがこれらのアーティストを聴いてきたという事です。

Q. 印象的な映画、好きな俳優などについてお話し下さい。良ければその理由も。
A.
「ふたりのベロニカ」1991年 フランス・ポーランド合作
クシシュトフ・キエシロフス監督
イレーヌ・ジャコブ主演
もうイレーヌ・ジャコブもストーリーも音楽も全て好きです。
二つの国に分かれてそれぞれの人生を歩む双子の話なのですが
その頃、妻と双子の人形を買ったり、双子の絵を描いたりしていた時期で
その後、偶然にも我が家に双子の娘が産まれたり、不思議な体験をしました。

Q. ご自分が一番大切にしていることを何でも!
A.
な・つ・か・し・さ

Q. 特に好きな国や都市、風景や場所はありますか?良ければその理由も。
A.
バルト三国(エストニア、リトニア、ラトビア)
僕にとって最も遠く、最も近いエキゾチックでノスタルジックな御伽の国。
風土が北海道と似ていて懐かしい。今回の個展にも民族衣装を着た女性が
登場します。

Q. 生まれ変わったら就きたい職業は?
A.
なんといっても、シンガーソングライター
ギター一本で歌って人生を語る、、憧れます。
現代の詩人はシンガーソングライターですから。

自分は声が細く、声質に個性が無いので諦めました。
今も歌を作り家でこっそり歌っていますが、
いつか人前で自作曲を弾き語りするのが夢です。

でもやはり絵が好きなので絵で人生を語りたいと思います。

Q. 他に何かメッセージがありましたら是非お願いいたします。
A.
僕の絵にメッセージはありません。
ただ、「この世界に生きている」「人間の永遠性」を表現するのみです。

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