吉村奈穂子 個展「かぎりない愛のまなざし」
吉村奈穂子さんの、スペースユイでは初個展が開催されました。
日本画を専攻されていた吉村さんの作風、画材は違いますが、真っ直ぐな視線で描かれた女性の肖像は、柔らかな空気感を纏っていました。
全ての作品が女性の肖像というモチーフで構成された作品展は、吉村さんのピュアな姿勢の感じられる優しい主張・・・といった感覚の素敵な展覧会でした。

Naoko Yoshimura
仙台生まれ、札幌育ち、東京在住です。 札幌にてグラフィックデザイナーとして活動し、2014年に東京へ移住してからイラストレーターや画家としての展示活動もしております。絵の具による偶然性の中に生命が浮かび上がる瞬間を楽しんでいます。水彩画を中心にアクリル画や油彩画も描きます。最近はキャンバスに敢えて水彩画で描くことに挑戦しています。
Instagram https://www.instagram.com/naoko.yoshimura/
X hhttps://x.com/naoko_yoshimura
Q: 作品を通して、人々にどの様なメッセージを伝えたいですか?
A:夕焼けに心奪われるように、作品を見てただ色彩や絵そのものを楽しんでほしいです。
Q: 好きな画家、イラストレーターは誰ですか?良ければその理由も。
A:奈良美智さんが好きです。原画の美しさに惹かれます。豊田市美術館や青森県立美術館にも足を運びました。作品と対峙した時には毎回とても感動します。涙を流している少女の絵には自分も涙が浮かぶほど心が震えます。
Q:あなたの作品の表現方法や画材、モチーフやモデルへのこだわりについて教えて下さい。
A:最近は透明水彩を使用しています。今まで出合った画材や積み重ねた制作経験による独自の方法で描いています。下描きをせず偶然性を大切にして、白い画布の中からガリガリと生命を掘り出しています。
Q:ご自分が一番大切にしていることを何でも!
A:一般的な価値観に流されず自分らしい選択をすること、選択する時は一度立ち止まって考えてみること。
そして、足るを知ること。
Q:作品の創作に繋がっている印象的な出来事や思い出がありましたらお話し下さい。
A:小学生の頃から独学でずっと写実的に油絵を描いていましたが、短大で日本画を専攻したことで西洋絵画との違い、たとえば平面で立体に見せたり、線を入れたり繰り返し描かれる図柄があったりと絵の自由さを知ることが出来ました。生徒として日本画家の伴百合野さんに出会えたこともまた視野が広がりました。
Q:特に好きな国や都市、風景や場所はありますか?良ければその理由も。
A:北海道が好きです。
①摩周湖:晴れていればとても綺麗です。他にも北海道には美しい湖がたくさんあります。東山魁夷さんが描いたような湖が好きです。
②島武意海岸(積丹町):星「屑」の意味を初めて理解するほどの満天の星空を見ました。空一面が細かい星の屑で埋め尽くされ、流れ星がびゅんびゅん途切れなく流れていました。灯台の消えた真夜中、天の川と流星群が重なる奇跡のタイミングだったのかもしれません。宇宙飛行士の毛利衛さんの出身地である余市町も近く、星がよく見える地域と言われています。そして夏の積丹の雲丹はとても美味しいです。
③ナイタイ高原牧場:「これぞ北海道!」を感じたい方におすすめです。皆さん牧場を想像してみてください。そして頭に浮かんだら画像検索してみてください。広大さと牛の数がその想像をはるかに超えていると思います!
④函館大沼:日暮山展望台から見る景色が絶景です。雄大な景色の中の手漕ぎボートは気持ち良いです。大沼だんごが美味しくて元祖いかめしの森町も近いです。
Q:会いたい人は? 身近な人でも、著名人でも、歴史上の人でも誰でも。良ければその理由も。
A:故人ですが、栗谷川健一さん(北海道をデザインした男と言われる画家・グラフィックデザイナー)、長沢節さん、原田治さんです。私はデザインを「栗谷川学園北海道造形デザイン専門学校」、イラストを「セツ・モードセミナー」「パレットクラブ」で学んでいるのですが、創設者の美学に満ちた学校で学べたことはとても幸運でした。生徒としてお話ししてみたかったです。
Q: 最近一番嬉しかったでき事は何でしょうか?
A:今回の展示で皆さんから絵の感想を聞けたことです。「ネットで見るのと全然違うから原画を目に焼き付けておきたくて」と本当にずーっと時間を掛けて1枚ずつ絵を見続けてくださった方、数年前の展示のDMを部屋にずっと飾ってくださっていて「今回の絵と部屋に飾っている絵を並べます」と嬉しそうにDMを持ち帰ってくださった方。その純粋な気持ちが嬉しくてとても励みになります。
Q:過去最高のプレゼントは何ですか?
A:小学生の時に兄が高校の授業で美術を選択して持ち帰った油絵の具セットを我が物のように使い倒していたのを覚えていたのか、「ずっと描き続けてほしい」と兄が初任給で買ってくれた信じられないくらい豪華な木箱(2段で下段が引き出し)に入った油絵の具のセットです。
Q: 13歳の時の夢は、今に繋がっていますか?
A:13歳の時は漫画家になりたくて、授業中もずっと絵を描いていました。中学生の時はアニメ部で徹夜でアニメを描いていましたし、高校生になってからは漫画を一度だけ投稿しました。あの熱量で描き続けていたことが今に繋がっていると思います。
Q:最近食べたもので、一番美味しかったものは何でしょうか?
A:友人の手料理のレモンチキンと鯛の昆布締め
Q:他に何かメッセージがありましたら是非お願いいたします。
A:今後も活動を続けてまいりますので成長を見守っていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

