2023年〜
2020年には世界中にコロナ禍が広がり、2023年の今日、まだはっきりとした収束が得られない状況が続いております。
2023年4月に新しいホームページを立ち上げました。
2023年夏、安西水丸個展「THE RIVER」を開催いたしました。
この展覧会を開催するに当たり作品の背景などについてのお問合せを多く頂きましたので、皆様に以下にご紹介させて頂きます。
この風景画の大きな作品シリーズのお話をご家族から聞いてすぐに、水丸事務所に作品を拝見しに伺いました。
1988年に発表したままほとんど全ての作品が残っているという、この作品のシリーズを見せて頂き、本当に驚きました。35年も前の作品ですが、良質な中性紙にシルクスクリーンプリントされた作品は状態も良く、たいへん綺麗な状態のまま保存されておりました。その時にすぐにこの年の展覧会のイメージが湧き、タイトルは「THE RIVER」と浮びました。
当ギャラリーは、1988年の9月に現在の場所に移転いたしましたが、それまでは本当に小さな今の1/4程のスペースでした。
1987年に水丸氏は、春、夏、秋、冬と、1988年に4回展示をされたいと申し込んで下さいました。
イラストレーション、グッズの展示・・、と展開いたしましたが、1988年に急遽現在の場所に引っ越す事になりました。4回の内、後半の秋冬2回の個展は、急にスペースが4倍になってしまいましたが、二人展を間に入れたりと、無事に終了することが出来ました。
1988年前後の年は、水丸氏にとりまして、本当に創作意欲に溢れた充実した期間だったのでは、と想像されます。
「THE RIVER」、この今まで発表した水丸氏の作品の中で一番大きな作品10点は、残念ながら今は閉業された銀座のギャラリーで発表した1988年の作品と知り、感慨を深めた次第です。
今は想像するしかございませんが水丸氏は1980年からお亡くなりになる迄、毎年の様に当ギャラリーにてシルクスクリーン作品を制作し、個展を開催して下さっておりました。
そして上記のように1988年の水丸氏は特に創作のエネルギーに溢れていらっしゃり、1988年に引っ越しが間に合っていましたら、当ギャラリーでの発表だったのでは、と思っております。
安西水丸氏の仕事は、本当に多岐に渡り、驚くほど多くの作品を残されましたが、1988年作のRIVERシリーズは、その中でも素晴らしいシリーズ作品のなのではと感じております。シンプルな構図で様々にイメージさせてくれる間の取り方の素晴らしい作品が、安西氏の本領なのではといつも思っております。
今後もファンの皆様との共有の財産として、大切に取り扱わせて頂きたい所存です。