山﨑杉夫・信濃八太郎 二人展「キャッチボール」
水丸さんがつないでくださったご縁で、2〜3年おきに開催しているお弟子さんの二人展です!
今回はちょっと工夫を凝らしたリレーのような描き方で作品を作られました。
イラストレーションも文章も上手なお二人!開会と閉会の辞も書いてくださいました。ぜひご覧くださいませ。
『相手が描いた絵、言葉からイメージして次の1枚を描いてみる。
まるでキャッチボールでもするかのようにそれを繰り返してみたら、たくさん絵が出来上がりました。』
<開会の辞>
この2人展も3回目になります。
ある日の落語会、会場に着くなり隣に座った信濃くんから「今度の2人展どうしましょうか?例えば相手が描いた絵を見て、そこから連想して次の自分の絵を描いていくのも面白そうですね。山崎さん最初に描いてくださいよ 笑」なんていつものように冗談半分の提案をもらいました。
しかし、これは面白くなりそうな気がしたので試しに1枚描いて信濃くんに投げてみました。
こうして僕たちは約1年間に渡って絵のキャッチボールを始めることになったのです。
「アート」「音楽」「徘徊」と3つのボールを投げ合いました。
それぞれ順番通り2人の絵を交互に展示しています。受け取った絵をどんな風に解釈して自分の絵を描いたのかコメントと共に楽しんでいただければ嬉しいです。
それでは、プレイボール!
山﨑杉夫(8番・キャッチャー)

山崎杉夫
<プロフィール>1968年生まれ。立教大学経済学部卒業後、会社員生活を経てセツ・モードセミナー卒。安西水丸氏の教室に通う。以後、書籍、広告などを中心に活動しています。最近の仕事に「任侠シネマ」(今野敏 著/中央公論新社)装画、舞台「どん底〜1947・東京〜」(劇団民藝)ポスターなどがあります。
https://www.sugioyamazaki.com/
https://www.instagram.com/sugioyamazaki/

信濃八太郎
<プロフィール>
1974年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科舞台装置コース卒業。 在学中より安西水丸氏に学ぶ。書籍の挿画や挿絵を数多く担当。 現在WOWOW『W座を訪ねて』にて、全国を旅して単館系映画館を取材。
http://shinanohattaro.com/
https://www.instagram.com/shinanohattaro/
山崎杉夫さん返答
Q:好きな画家、イラストレーターは誰ですか?良ければその理由も。
A :最近、興味があるのは小林孝亘さん。ボワーンとした陰影のある世界観に惹かれます。その一方でメッセージ性が高く、圧倒的な迫力がある風間サチコさんのモノクロの木版画にもとても興味があります。岡本太郎さんと同じような圧倒的な迫力と棟方志功さんのような潔い刀の線が魅力的です。
山崎杉夫さん返答
Q:ご自分の作品と世界(社会)との繋がりについて、こだわりはありますか?
A :自分の作品が世界をひっくり返すとは思えませんが、誰かの心を少しだけ癒したり、背中を押すきっかけにはなれるのではないかと信じて制作しています。
山崎杉夫さん返答
Q:特に好きな国や都市、風景や場所はありますか?良ければその理由も。
A :福井県。ご縁をいただいて3年ほど前から年に1、2度のペースで通い始めました。越前和紙の里では、その歴史や技術に魅了されましたし、越前蟹やへしこをはじめとした北陸特有の食文化、京都に隣接した地域の歴史的な背景など僕が育った関東地方とは全く違う世界にとても魅力を感じています。
信濃八太郎さん返答
Q: 何か人と違う美術に関連する以外の才能があったら教えて下さい。
A :ホームセンターが画材屋に見えること。子どもの頃から友だちと一緒に国道沿いの巨大ホームセンター「ジョイフル本田」に出かけ、工事業者や大工さんが出入りするコーナーをうろついては、何に使うのかよくわからない鉄の部材や電材、木片などを買ってきて「これでどう遊ぼうか」とアイディアを出し合うのが楽しい遊びでした。今も近所の「ビバホーム」に出かけては、これで絵が描けないかな、と未だ知らない“画材”を探すのが、日々の良い散歩コースです。
あ、今さら気づいたのですが、ご質問を「美術に関連する意外な才能」と読み間違えていました。。。
信濃八太郎さん返答
Q: 他に何かメッセージがありましたら是非お願いいたします。
A:自分の描きたいイラストレーションは、「観察」して「記録」することと、最近ようやく理解しました。森羅万象あらゆるものを掬い取り、記録したい気持ちですので、なにか良いお仕事がありましたらお声がけください。
信濃八太郎さん返答
Q:魔法を使えたら、叶えたい望みはありますか? またそれは、どの様な望みでしょうか
A:魔法が使えるなら、一度「死」を体験して、こんな感じなのかと生き返り、みんなに高らかに教えてあげたい。こんな感じなんですよって。願わくば、えも言われぬ素敵な体験でありますように。
信濃八太郎さん返答
Q:最近発想した何かお話ししたい事
A:今回の山崎杉夫さんとの『キャッチボール』展を終えて気づいことがあります。
山崎さんのキャプションにはやたらと誤字が多く(本当に多く)、またせっかくぼくがマス目の原稿用紙を用意したのに、まったく無視して自由に書いています。
だからと言って(それがどうしたと言わんばかり)山崎さんのキャプションはぼくのものに比べて、大きくて、とても読みやすく、簡単明瞭でわかりやすいのでした。
今まで自分が普通だと思っていたのですが、ずいぶんと重箱の隅にばかり気がいく、木を見て森が見えてないにんげんなんだと改めて自分を発見しました。これを反省するのではなく、愛すべき個性と(勇気をもって)捉え直し、もう一度自分を見つめ直したいと思っています。こんにゃろザキヤマめ。。。





<閉会の辞>
こんなに気負わずに絵が描けることもなかなかありません。
自由に描ける個展にしたって、描くほどに、ともすればテーマに縛られて最後には絞り出すようなことになるものですが、今回は良かれ悪しかれ最後までとことん自由でした。
山崎さんが投げた球をキャッチし「よし!それならばこちらは…」とまた投げ返す。その繰り返し。
『キャッチボール』のタイトル通り、これはどう考えてもひとりでは成し得ない“ノーコントロール”な作品づくりで、どう返してくれるのかと待つ間も含め、ひたすら楽しい時間でした。
なのですが「良かれ悪しかれ」としか言いようがないので、展覧会の成果につきましては観てくださった皆さまのご判断に委ねます。
年度末のおいそがしいなかお運びいただいて、どうもありがとうございました。
信濃八太郎(1番・レフト)
