河井いづみ 「空と部屋」

河井いづみ イラストレーター、アーティスト
長崎県生まれ。東京都在住。
鉛筆画やリトグラフによる独自のテクスチュアを生かした、躍動と静けさが同居する世界観が魅力。2003年より3年間フランス・パリのアーティストインレジデンス等で活動。現在は東京を拠点に、書籍装画、広告、ファッションやパッケージのイラストやデザインなど、幅広い分野で仕事をする他、国内外での個展やアートフェア参加など展示も多数行う https://www.kawaiizumi.com/

魅惑的なテクスチャを生かしたモノクロームの作品展は、今年も素晴らしかったです。

Q. ぱっと閃くインスピレーションは、どんな時に生れますか?
A.
人と話している時。おもしろい形、美しいものや作品を見た時。

Q. 好きな画家、イラストレーターは誰ですか?良ければその理由も。
A.
イギリスの画家、アンソニー・グリーンさん。イラストレーターでは、いとう瞳さん。

Q. どんな小説を読まれますか?また、好きな小説家はいますか?良ければその理由も。
A.
吉田修一さん。いろいろなタイプの作品を書かれていてどれも好きなのですが、特に私の出身地でもある長崎や九州を舞台にしているもので、田舎ならではの閉塞感や問題の描き方に共感し、引き込まれます。
桐野夏生さん、高瀬隼子さんの作品も好きです。

Q. 好きな音楽、ミュージシャンなどについてお話し下さい。良ければその理由も。
A.
制作中はジャズをかけています。私は夜の方が集中できるため、ジャズが流れると夜の雰囲気がして、昼でもリラックスできて作業がはかどる気がします。
また勢い付けたい時は、J-POPをかけて(ユーミンとか)熱唱しながら絵を描く時もあります。

Q. あなたの作品の表現方法や画材、モチーフやモデルへのこだわりについて教えて下さい。
A.
小学5年生で絵描きになると決めたのですが、その当時から鉛筆で絵を描いています。
10年前からリトグラフの技法で版画を制作していますが、それも描画にリトクレヨンを使うので、絵の具など液体のものよりも、鉛筆やクレヨンといった画材のざらっとしたテクスチャーが好きなのだと思います。

Q. ご自分の作品と世界(社会)との繋がりについて、こだわりはありますか?
A.
社会、つまり他者と関わる上では自己との相対化が必須です。
これには、自分と向き合う静かな時間が大切かつ必要だと思っています。
自分の作品を観る人たちに、自己との対話が生まれるよう、願っています。

Q. ご自分が一番大切にしていることを何でも!
A.
愛!
好きということを大切にしています。

Q. 特に好きな国や都市、風景や場所はありますか?良ければその理由も
A.
私の幼少期の空想の舞台だった、ギリシャのエーゲ海の島々にいつか行ってみたいです。
旅行会社のチラシに掲載されていた小さな写真で見て夢中になり、その後もTVやチラシで何度か見て、その度に惹かれ、
とうとう母に
「これ、どこにあるの?」とドキドキしながら聞いたら、
母が一言「そりゃあギリシャよ、エーゲ海。」

Q. 好きな食べ物や料理についてお話しされたいことがあればお話し下さい。
A.
フランスのチーズです。フランスに渡ったばかりで言葉も分からず、なんだかびくびくしていた頃の、私の生きるモチベーションがチーズでした。チーズにバターとバゲット(フランスパン)とアボカドがあればいいです。

Q. テレパシーを感じた経験はありますか?もしあったらぜひ!
A.
テレパシーかどうかわかりませんが、明け方の夢に出てきた人から、その日に連絡が来ることはよくあります。
また、私はひとつのことに夢中になって、やるべきことをすっかり忘れてしまうことがたまにあるのですが、(締め切りが迫っているのに他のことに夢中になったり、遅刻しそうなのに余裕こいていたり、展示の搬入日なのに忘れたり!)そういう時に、強い耳鳴り(キーン!)が起きます。それで、はっとして現実に戻ります。

Q. 生まれ変わったら就きたい職業は?
A.
自然に囲まれた眺めの良い場所に建つ、過ごしやすい簡素な家で、犬と猫とニワトリと暮らす人になりたい。

Q. フランスに滞在していらしたと伺っていますが、創作上の影響を受けた事などありますか?
A.
生活圏内に世界遺産の教会があったり、一筋縄ではいかないフランスの歴史が刻まれた、美しい建造物に囲まれた暮らしの中で、空間の美、装飾のディテール、空気の色など、そのすべてで肌で感じるものがありました。
また、芸術を大事にしていたり、フランス的ものの見方に親しみを感じ、それら海外での日々は私の人生観が決定づけられた経験となりました。

Q. フランス滞在の期間に楽しい経験をたくさんされたと思いますが、特に印象に残ることは?
A.
楽しいこと面白いことはたくさんあったのですが、
ある日犬の散歩をしていた少年に遭遇し、突然のハグ?を受けた話を、ずいぶん前にまんがにしていたのでご覧下さい。
どうってことない話ですが、
私を避けて回りこむ、という選択肢もある中で、君はそれ(ハグ)を選ぶんだね?!と愉快になりました。

私が育った長崎から見る有明の海です(河井さん)

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